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2006年5月29日 (月)

「景観法」の意味するもの

 昨日5月28日の日曜日、「真鶴町景観計画策定記念シンポジウム/美のいぶき」に行ってまいりました。真鶴町は私の住んでいる小田原に隣接する景勝の町です。人口は多分9千人ほどですが、「美の町」真鶴という大胆な指標を掲げて町政をなさっている注目の町です。真鶴町まちづくり条例の第10条には、美の原則8項を示し、その基準は規則「美の基準」で定めるとしています。第1号は、場所 建築は場所を尊重し、風景を支配しないようにしなければならない、とされています。美の町を目指すには、数値で規制するのではなく、理念で誘導するという手法を選択されたのでしょう。事前公開・説明会・事前協議等を経て、「重大な影響がある」ものに対しては「真鶴町まちづくり公聴会」の開催となります。「条例の不履行」に対しては、町は「必要な協力を行わない」という非常手段を使うことになるのでしょうか。公共サービス(上下水道など)の停止というのは、損害賠償の対象となり、自治体の首長はもちろん、担当職員にまで賠償責任が及ぶという判例もあるそうで、怖いことになります。
 今、東京の国立市(人口7万ほど)では、明和地所というデベロッパーと裁判係争中です。風景を支配するマンション(高さ20mに整えたい町に14階建て44m)に対しての、国立市の抑制が損害賠償請求されているのです。いくつもの裁判が同時進行中ですが、その中で、頼りなげですが「景観の利益」という概念が認知される等、大きな犠牲をともないましたが、今までにない成果を勝ち取っているようです。
 日本社会では、企業をコントロールできるのは「国」であって、自治体は企業にとっては単なる従順なお客さんか、クレームをつける悪徳客のどちらかようです。企業には「国」をバックにした強い姿勢がちらつきます。85年以降の自由自在開発時代を経て、やや市民の運動に覚醒した自治体の動きに国も引きずられてきたのでしょうか。「景観法」という、柄にもない基本法を国が誕生させました。こんなフロックのような状況を、活かすのは自治体、市民の甲斐性次第ということのようです。
 真鶴町長の青木さんは、たいへん自負のある饒舌な方のように見受けましたが、真鶴流景観計画が、耳目を集めるよう、まちづくり担当職員の能力開発に成功されることを願いながら、我が小田原市政府は、自律心のある自治体になれるのだろうかと、とても心もとない気持ちで帰宅しました。

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コメント

景観法を勉強してみました。
面白い法律ですね。地方自治体が、この法律を上手く使えば、かなりの事が出来るような気がしました。
農業景観もこの法で、対応できそうです。
地区の範囲設定が、難しそうな気がしました。

美の町真鶴ですか。いい考えとは思いますが。
時々絵を描きに行きます。現状は楽観は出来る状況では無いですね。ここ数年でも、不味い方向に進んでいると感じています。

投稿: 笹村 出 | 2006年6月 1日 (木) 06時25分

駅前の再開発計画は何とかつぶせないでしょうか?
あそこに、城下町ホールを作ってもいいわけです。
たとえば、シティホテルがビジネスホテルに格下げ、
中途半端、何のための再開発か?
これならまだ、100メートルのほうが増しなくらい。

それから、裏駅のがけ地マンションや、早雲寺裏の乱開発マンションのこともおねがいします。

投稿: 小沢悪明 | 2006年7月25日 (火) 18時07分

小沢悪明様
「駅前の再開発計画」は、圧倒的多数の市民の皆さん、市議会の良識派議員の皆さんの声が次第に大きくなり、事業の実態がさらけ出されました。準備組合と言う名の(小田原市)も見直しに入らざるを得ないでしょう。当初予定の7月公募は吹き飛んでいます。28日(金)の都市建設常任委員会で「報告」があるはずです。ぜひ傍聴にお出かけください。
「裏駅のがけ地マンション」は、近隣住民、自治会が立ち上がり、大きな運動を展開しています。23日の日曜日には、西口の駅頭で署名運動を実施し、これ迄の署名とともに、市議会への陳情に持ち込んでいます。これは、小田原市都市計画行政の完全な失政です。運動にご助力ください。
「早雲寺裏の乱開発マンション」は、早雲寺の住職さんや旅館のご主人などを中心に、運動が拡大しています。ご支援ください。

投稿: 松本 茂 | 2006年7月25日 (火) 18時39分

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