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2006年8月 9日 (水)

住生活基本法の施行に思う

去る6月8日に公布施行された「住生活基本法」は、私たち住宅問題指摘を続けている団体が、永年に渉って要求してきた「居住の権利」の確立にとって、ささやかな前進と考えます。日本国民の住居の基本法としては、極めて不十分ではありますが、初めての住まいの基本法を得たこと、60年遅れではありますが、施策の指針を明らかにしたことは評価したいものです。先週末の8月5、6日に小田原で開催された「日本住宅会議サマーセミナー」でも、「国民の住まいを守る全国連絡会」代表幹事の坂庭国晴さんの報告をもとに、熱心な論議がなされました。この基本法の第6条には「住生活の安定の確保及び向上の促進に関する施策の推進は、住宅が国民の健康で文化的な生活にとって不可欠な基盤であることにかんがみ、低額所得者、被災者、高齢者、子どもを育成する家庭その他住宅の確保に特に配慮を要する者の居住の安定の確保が図られることを旨として、行われなければならない。」とアドレスされています。弱者支援という限定的な規定ですが、「住宅が国民の健康で文化的な生活にとって不可欠な基盤であることにかんがみ」という表現は、初めて住まいの位置づけがなされたもので、評価できます。もちろん、その基盤をすべての国民に権利として保証することを、国の責務として明記されるべきものですが、住宅思想貧乏のわが国としては、「ささやかな前進」でしょう。
また、附帯決議として「住生活基本計画の実施に当たっては、わが国の気候風土、歴史文化が地域によって多様であることにかんがみ、地域特性を知悉する市町村による主体的、積極的、計画的な取り組みが行われるよう十分配慮すること。6/1 参議院国土交通委員会」などが付されて可決されています。一見市町村に下駄を預けての逃げ腰のようにも読めますが、ここは地方の主体性で住生活の安定の確保をなすべきとしたものと考えます。
ここ小田原には、公共住宅として市営住宅が約1,600戸あります。最も古いものでは、1958年の谷津住宅20戸、福井島住宅32戸などがあり、老朽化に対する補修は十分なされておりません。最も新しいものは、1994年の浅原住宅76戸でそれ以後の供給はありません。アフォーダブル住宅の公的供給の手法は、いろいろあるでしょうが、ストックについての継続的保守管理、リモデリングなどは「住宅マスタープラン」にしたがって、重点施策として実施しなければなりません。
住宅は「生活にとって不可欠な基盤」です。福祉、教育、保健政策にとってはもちろん、防災、治安などの生活安全にとっても不可欠な基盤です。緊急性に乏しい大型プロジェクトの前に、住生活施策に予算配分すべきと考えます。
「市営谷津住宅」小田原市城山2-9-1、昭和33年築、2棟20戸:簡易耐火2階建
谷津住宅外観写真  谷津住宅間取り図

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