« 早川口マンションの怪 | トップページ | 早川口マンションの続報 »

2006年10月31日 (火)

早川口マンション無策?

昨日10月30日午前10時、10月4日に面談申入れして以来27日目、藤川都市部長さんにお話を伺うことができました。一寸木次長、青木建築指導課長のご同席という構えでしたが、当方も午後1時に東京でアポがあり、慌ただしい30分間の対話でした。確認できたことのみ報告いたします。
1.平成17年3月、高度地区指定(20m)が6、7月ころには予定されているのでその規制に準じて欲しいという行政指導をした。残念ながら受け入れられなかった。この指導が実らなかったので、それ以後の行政指導は違法な介入と見なされるので一切していない。ーー5月31日には高さ44.55mの計画が「イーホームズ」により確認済証交付となったーー
2.平成17年6月8日の重機による作業開始を、着工と認定した(当時の真壁指導課長)。ーーその日午後に文化財課に茶碗が出たと報告し工事中止、その後改めて埋蔵文化財調査が始まり12月末まで続くーー作業開始の1週間後、平成17年6月15日に高度地区の指定があり、本件敷地は国道側が高さ20m(奥は15m)となるーー平成18年に入り工事再開し杭工事を行う−−6月末ころには再び工事中断し現在に至るーーモデルルームも撤去されたーー(これはは地元の方々の証言と私自身の調査による。市はこの事実関係には関与しない)
3.指導課長の着工認定は正当であり、建築基準法第3条第2項の定めにより「適用しない」こととなる。(いわゆる既存不適格)
4.この適用除外は、工事が一時中断したように見えようが、建築工事がなされていれば、「未来永劫」とまでは言えないが、長期であろうと適用除外は生き続ける。何年間ということは言えない。
  以上のような事実認識が確かめられましたので、若干の質疑応答。
Q 昨年の6月に高さ20mの規制が出来たところに、その2倍以上44.55mのマンションが、何年も経ってから出現する、これは、市民常識から見て極めて「不当」なことではないか。
A たとえ常識に反するように見えても、法に従ってなされた行為を行政が止めることはすべきでない。
Q 国道1号線沿線は、小田原市の景観行政で重要な地域ではないか。町づくりとして高さ20mの合意が出来たのに、傍観して済ませば、市民は納得しない。
A 建築指導行政は、法の定めに従って行うだけのもの、(景観とか)裁量の入り込む余地はない。市民市民というが、あなた方が市民の総意を代理しているとは考えない。
Q 事実関係を考えても、余りに作為的な駆け込み着工。既存不適格とするには無理がありすぎる。司法判断の支持もあるはずだ。このような「不当」な景観破壊について、小田原市の規制に従った計画変更を求めるなどのことは出来ないのか。
A それは行政の「違法」行為として裁判で負ける可能性が高い。そんなリスクは行政が背負うべきではない。国立市のような手法はとらない。小田原市は、あらゆる判例を調査し尽くして行政にあたっている。ここの建築指導行政は優秀だ。そんな踏み込んだ無茶はしない。負けたら、何億何十億という損害賠償を求められる。私自身にも個人賠償がくる。リスクを市民の負担には出来ない。
Q リスクというが、市の町づくり行政に真っ向から逆らうまち壊し行為を傍観することこそ、小田原市の大きなリスクになるのではないか。
A (町壊しであろうが)法の定めに従って、粛々と手続を進めるだけだ。行政はそれ以上は出来ない。これまでもこれからも、調査だけはきちんと進める。(この記載に事実と反することがありましたら訂正いたします。どうぞご遠慮なくご指摘ください)
  以上のような、実りなき対話でしたが、小田原市の都市行政の『理念』が確認できました。都市整備には「市町村自治」は存在しないのでしょうか。昭和34(1959)年、岸信介内閣時代に改正された建築基準法第3条第2項が存在する法定委任事務の前には、町づくりは空文なんでしょうか。私のような考えは「不逞な市民」の無法な考えなんでしょうか。デベロッパーの権利も保証されるのでしょうが、こんな無茶が21世紀の日本では、いまだに大手を振って通用するのでしょうか。小田原市の自治権は、国法によってがんじがらめなんでしょうか。3人の市職員を前に、大きな声を出したい心境でしたが、ぐっとこらえて、小田原駅に直行しました。

|

« 早川口マンションの怪 | トップページ | 早川口マンションの続報 »

コメント

これが行政。
良くも悪くも、よく実態が現われています。
先日、城下町ホールのことで、尋ねた時も同様の対応でした。

それなら、まだこれからのことで、例えば、広域ごみ焼却施設のことで、尋ねたらどうなるか。
何も決まっていない、の繰り返し。
それで、決まってしまうと、すでに決まってしまった事なので。
決め方がともかくまずい。

投稿: 笹村 出 | 2006年11月 2日 (木) 06時50分

法律は言うまでもなく、国民の代表である国会議員が決めたこと。いくら景観のため、と言っても、行政が違法行為をするのはまずいと思います。法治国家ですから。
それに行政の安定性、継続性という原則もあります。公権力を持つ行政が、「明日からルールを変えるよ。」と言うようなことをしていたら、不利益を受けるのは、一般住民です。生活設計や商売の計画が立てられなくなります。したがって、ルールを変えるには、十分な周知期間が必要でしょう。
行政の対応は仕方ないです。景観のためにルールを変えただけでも大きな進歩です。地主の中には、高さ規制のために、自分の土地の資産価値が低くなったと嘆いている人もいるくらいですから。

投稿: 傍観者 | 2006年11月 3日 (金) 09時22分

傍観者様
傍観しないで書き込みいただき恐縮です。でも、もう少しこの状況が示している「自治」を理解していただくことを期待いたします。

投稿: 松本 茂 | 2006年11月 4日 (土) 23時29分

作為的な駆け込み着工や工事の中断など、細かい事実を積み重ねていけば、着工を認めた市の判断はかなりあやふや。手続き的に正しいとしても、その基礎となった事実認定には重大な瑕疵があるとおもわれます。
法治国家といっても、あきらかに駆け込み着工を悪用したとするならば、そんなもんは保護する必要がないでしょう。
このケースにおいて、行政が既存不適格と認めなくても、
法律上は必ずしも問題にならない可能性があります。


こんなことを既存不適格と認めた市を市民が訴えることもありえると思います。そうしたら、その責任はどこに行くのでしょうか?
業者から訴えられるのはだめで、市民からはいいのでしょうか?
この始末はきっちりつけなくてはいけませんね!!

投稿: キメラ | 2006年11月 7日 (火) 16時37分

仮に小田原市でなければ、既存不適格としない可能性も否定できない。
おそらく、行政も作業がまだ進んでいないときならともかく、
基礎工事が完成してしまった今日、たとえ違法でもその影響を恐れ、
手がだせないのではないでしょうか?


投稿: | 2006年11月 7日 (火) 16時41分

いま起こりはじめたマンション紛争です。

1.小田原駅東口のがけ地31mマンション
2.ようげつ跡地マンション(茶半家具の近所)
3.田中組向かいの31m(11F)ワンルームマンション
1については開発許可済み
2はまだ詳細不明
3は将来的に蓮池となる国指定史跡のまん前にたつマンションです。
お堀端マンションの再来になりかねません。

投稿: | 2006年11月 7日 (火) 16時44分

松本さんのおっしゃる自治とは何ですか?
まさか、「松本さんの考えどおり」に行政が動くこと、
ではありませんよね。
高層マンションに賛成の人もいるし、松本さんのお住まいを景観的に不満に思っている人もいるかも知れませんよ。
ワンマン市長が現れて、景観のために松本さんのお宅を3年以内に撤去しましょう、なんていうのも可能だとおっしゃるのでしょうか?
それも自治ですか?
もちろん松本さんの権利も法で守られています。同様に、マンション業者の権利も等しく守らなければならないのです。

投稿: | 2006年11月11日 (土) 18時34分

傍観者(ssiill@mrf.ne.jp)様
再度の書き込み、ご関心の強さに御礼申します。私が求めているのは、都市整備、まちづくりの自治です。都市計画法体系における都市自治の余りに弱いこと、日頃のお仕事の中でお感じになっていられないのですか。小田原市都市部は、自らが指定した20M高度制限の用地に指定数年後に44Mのマンションが建つことに無関心だとは思いません。「法」の定めで身動きつかない、自治体のまちづくり意思を愚弄するような事例が、例え形式要件が整っているかに見えても、その不当性に手も脚もでない状況だと理解しています。
ワンマン市長が---という例示は、些か乱暴ですが、住民意思を体現しているのであれば、都市経営の意思として認められるのではないでしょうか。
自治体職員、特に基礎自治体の職員から、まちづくりの自治権を強く求めるべきだと考えます。

投稿: 松本 茂 | 2006年11月13日 (月) 00時01分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/139245/12506799

この記事へのトラックバック一覧です: 早川口マンション無策?:

« 早川口マンションの怪 | トップページ | 早川口マンションの続報 »