« 2006年10月 | トップページ | 2006年12月 »

2006年11月

2006年11月26日 (日)

八幡山古郭の夢

 今日11月26日(日)、何とも長時間の「シンポジウム」に朝の10時から参加しました。「戦国時代の小田原城を考える」です。ご記憶の方も多いと思いますが、城山三丁目963-4他13筆、敷地面積3,920㎡、13階建、高さ42.47mという、沼津のデベロッパー株式会社地建による開発、一昨年2004年12月14日の近隣説明会から始まったマンション建設阻止運動を思い起こして下さい。現況と開発後の姿合成写真
 この運動は、2005年6月1日の開発業者からこの用地の買い取り申入れで決着しました。(運動の経緯は、URL:http://homepage3.nifty.com/art-vivre/phot/odawara_3.html でご覧ください。)市は、八幡山古郭東曲輪として保全したいとしての買収交渉は、この2年前から始まっていましたが、土地所有者と合意が成立せず、「取得を断念した」と市長が答弁していたのです。その断念地に巨大マンションが建つ、しょうがないなと見て見ぬ振りの市政府を市民運動が攻め立てて、市長がやっと沼津まで足を運んだのですが、業者から9億4500万円という価格を提示され、市側の提示価格6億2000万円と余りに大きな差があり、またもや「取得を断念」と市長が市民運動団体に説明。市民運動側で、開発業者側を追い込んでいき高度地区指定決定日6月15日までの着工を困難と判断させるまでにした結果、市提示の価格で譲渡となったのです。
 わずか3,920㎡の土地ですが、北条古郭整備に踏み切った第一歩です。北条五代を都市の記憶としているにしては、この町にあまりにもその事績は少ないのです。ほとんど「幻」のごとくであった八幡山古郭に、文化庁の支援を受け、文化財行政が初めて手をつけたのです。城跡整備の新しい第一歩です。
 今日のシンポジウムは、そのスタートを高らかに宣言する大イベントだったのです。文化庁の伊藤主任文化財調査官、城郭研究会代表の小笠原氏、市民運動代表の河田氏もパネラーで参加され、それぞれに有意義な講演などがありましたが、これからの小田原市の文化財行政力には、やや不安を感じさせるものがありました。この古郭整備のために、文化庁は2006年1月に、この用地部分を国の史跡指定にしており、現在工事中の県立高校敷地も、完成後に史跡指定予定になっています。このような国の指定が支えにはなりますが、市のプロパーの文化財行政として、なにをやるか、はなはだ心もとない感じを受けました。
 大正9(1920)年の東海道熱海線の設置で古城と新城の間が無惨に開削され、古城区域は、長期に渡り放置され、開発が進んでしまっております。この古城八幡山古郭を整備して、都市の歴史記憶に資するものとするのならば、鉄道敷地に対しても、復元の手をつけるべきではないでしょうか。東海道新幹線は、小田原駅から約200mほど青橋付近で墜道に入りますが、東海道本線と箱根登山鉄道は、そこから約200m先で墜道に入ります。この200m部分の復元は、古郭整備にとって大変重要な要素になってくるでしょう。
 青橋から城山墜道まで、人工地盤で小田原城域が復元できたらと、長時間のシンポジウムで、想を練ってしまいました。20年後にはそうなっていますようにと願いながら。

| | コメント (3) | トラックバック (0)

2006年11月21日 (火)

陳情不採択

今日、2006年11月21日、小田原市議会総務民生常任委員会(中野隆雄委員長)は、陳情第115号「(仮称)城下町ホール計画」に対する陳情書および陳情第118号(仮称)城下町ホール建設計画に関する陳情の審査を行い、この二つとも不採択としました。青木正光副委員長、相澤博委員、奥山孝二郎委員、細田常夫委員、守屋喜代松委員の5委員は不採択意見、中島春子委員、関野隆司委員の2委員は継続審査意見でした。
 ところで、この委員会は、陳情審査の前に「勝舟投票券発売所設置に対する不同意処分取消等請求事件について」という報告を受けました。皆さんご記憶にお有りでしょうが、ボートピアのことです。昨年4月20日、この委員会は,オレンジ観光から出されたボートピア設置推進の陳情を採択しています。ところが、市長が5月24日に不同意を表明して、この設置は否定されました。今日の委員会では、これを「不当な営業権の侵害だ」とする提訴者オレンジ観光の趣意を支持するかのごとき発言まで出ていました。仰天です。小田原の駅前に賭博場を作り、小田原城の登城口正面に「サーカスとプロレスのイベントホールをつくる」ことを支持するのでしょうか。何とも信じ難いことです。市議の皆さんには、いまだ状況が理解されていないと信じたい。
 今日の委員会傍聴には大勢の方がおいでになりましたが、例によって傍聴席は10人分しかなく、みなさん「音声モニター室」で、間接傍聴です。こんな、タックスペイヤーを侮辱した仕打ちが平気でまかり通っているのです。陳情審査でも、陳情者には陳述の機会は全くありません。陳情書を事務局書記が読み上げるだけです。今では、各地の市町村で陳情者発言は行われています。来年4月の統一地方選挙で、再び新しい市議が選ばれます。代議者としてしっかり代議していただける市議、議会改革に真剣に取り組んでいただける市議を選びましょう。市議会を変えなければ、市政は変わらないことをあらためて痛感した一日となりました。

| | コメント (1) | トラックバック (0)

2006年11月19日 (日)

城下町サーカスホール?

 去る11月17日(金)の「ポスト紙」に、城下町ホール事業についての意見広告を掲出しました。この事業は、小田原市民の誰もが抱いている永年の願望です。1990年から整備検討委員会で計画が進められていましたが、昨年6月の「基本構想」発表で、この願望を拙速に片付けてしまおうとする不誠実な動きが出てきました。極めつけは、プロポーザルコンペによる設計者選定委員会(藤森輝信委員長)で、昨年の12月にたった3人の委員が選んだ「山本案」で、この願望は押しつぶされてしまいました。
 設計者山本理顕氏の考えです。
 「小田原市が事前にまとめていた基本構想では、シューボックス型の多目的ホールが想定されていました。でもぼくは、シューボックス型の閉ざされたホールでは、多目的な使い方にも限界があって、面白いことは出来ないんじゃないかと思いました。それに、小田原で従来通りのシューボックス・ホールをつくっても、クラシック・コンサートや演劇のための場所として使われる回数がそれほど多いとは思えなかったんですね。-----外から直接ホールに入ることもできて、通り抜けられる。-----失礼な言い方だけど、何かオタクっぽい。コンサートや演劇にあまり関心がない人の方がむしろ多数派だと思うのです。-----例えばプロレスやサーカス、フリーマーケット等々、普通の劇場ではできないような催しができるようなホール。-----」*
 城下町ホールの所管課からは、全く違う説明を聞いていたのですが、設計者は明らかにイベントホールをつくるべきと考えているのです。発注者である小田原市は、何をつくろうとしているのでしょう。いくらなんでも、ひどすぎるのではないでしょうか。しかも驚くべきことに、このひどい事業を批判する文化団体の方たちに、市の文化政策担当責任者が圧力をかけているのです。こんな理不尽なことを通用させてはなりません。
 所管課は、なぜユーザーである市民といっしょにワークショップを開かないのですか。山本さん、サーカスができるホールをつくるべきかどうか、市民と話し合いましょう。12月10日に、市民によるワークショップがあります。午後と夕刻の2回行います。どちらかにでも時間を作って出かけてきて下さい。あなたは、基本設計概要の説明会で「私は市民の皆さんと協同でつくりたい」という意味のことを言われました。実行して下さい。
*建築設計雑誌 [GA JAPAN 3-4/2006 No.79] より引用

| | コメント (2) | トラックバック (0)

2006年11月10日 (金)

早川口マンションの続報

この事業の工事請け負い業者、馬淵建設株式会社から、「近隣のみなさまへ」として、「----諸事情により工事を中断しております。この先の工事再開も確定しておりませんので、タワークレーンの解体、および搬出。詰め所用のコンテナハウスの搬出を下記の日程でおこないますのでお知らせ致します。-------」との文書が11月7日付けで配布されました。事業者の株式会社グランディムと工事業者の馬淵建設との請負契約が頓挫したのでしょうか。明らかな工事中断です。
これに関しての小田原市建築指導課長の見解 「クレーンの解体などは、工事業者の都合であって、これが工事中断かどうかは判断しない。事業者と工事業者間の問題にすぎない。工事が中断したとか、取りやめたとか行政がどうこうすることはない。お知らせ文書は入手していないが、FAXしてもらう必要はない。都市部長が言われた通り、着工した建築物であり、適用除外に変わりはない。(高さ44mが建つのは法の定め)」
これが小田原市の行政思想です。建築行政が国の法定委任事務であるとしても、市町村という基礎自治体のとるべき行政姿勢でしょうか。事業者から事情聴取をすることさえ、あるいは近隣住民からの聞き取りをすることなど、「法定委任」されていないから、一歩も踏み出さない、これで千年都市のまちづくりが出来るのでしょうか。全く情けない居眠り行政です。都市計画法体系が国の法律でがんじがらめであるとしても、余りにも無気力な「見て見ぬ振り行政」です。小田原市都市部は国の下請け機関なのですか。

| | コメント (3) | トラックバック (0)

« 2006年10月 | トップページ | 2006年12月 »