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2007年6月14日 (木)

定期借地権の証券化?

 一昨日、2007年6月12日、小田原市議会建設経済常任委員会において、お城通り地区再開発事業についての報告がありました。この事業は、再開発事業経緯に示すように、1984(昭和59)年以来、紆余曲折、長期の放置、突然の事業フレームの変更など信じ難いほどの迷走を続けながら、いよいよ強行不時着の様相を呈しております。
 昨年9月に唐突な事業転換で新たな事業者公募。2002年の公募は1社、今回は2社!!
 本年2月には、再開発物件の「証券化」を提案した株式会社アーバンコーポレイションを「優先交渉権者」に決定。4月には、パシフィックコンサルタンツ株式会社を「事業推進補助業務」者として業務委託。そしてこれらの経過報告が、この委員会でなされました。これまでの基本設計は全面変更、施設の規模も用途も全く違うものに変身。委員の皆さんも、狐につままれたようでした。象徴的だったのは、「土地は土地」「建物は建物」という2002年に登場した「業務代行者村井さん」の権利変換フレームを継承して、担当部長の庄司さんが説明。証券化するのは建物だけです。土地はそのままなのです。えっ、よく分からん。それはそうでしょう。土地なしの建物はありませんので、建物が証券化されているのに、50年後の土地返還はどうやって保全するのですか。よく分からんでお買いになった証券保持者の権利は、50年後に突然停止するのですか。その時点で証券価値はマイナス(解体費用負担)になるのですか。すごいリスク証券なんですね。「優先交渉権者」の証券化手法をしっかり審査されているのですか。心配性の私は、ものすごく焦っています。市有地だけでも、市民の血税、73億円が投入されてるそうですよ。50年後には、私はもちろん、今日の委員会の市議さん10人の中で存命されているのは、お一人だけでしょうね。その方が市民の皆さんから「どうしてくれるの」と小突かれそう。
 素人考えでは、誠に奇怪な「公共事業」。証券化で事業者に大きな利益が出るか、はたまた不動産市場の変化で、立ち往生するか。スピード勝負なんでしょうか。ご専門の方、ご教示ください。
 ご心配の向きは、小田原市の所管課(準備組合事務局)0465-33−1654 Mailto:koiki@city.odawara.kanagawa.jp にお問い合わせください。

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コメント

松本さま、勝手ながら、このブログを利用させていただきます。

公開された資料で分かる範囲で、アーバンコーポレーションのことを調べてみました。

平成19年3月期のアーバンコーポレーションの売上高は1805億円、同営業利益は612億円となっています。同社は、連結営業利益率33.9%の高収益企業です。(連結ベース。1億円未満の端数は切り捨て。以下同)

事業セグメント別の売上構成を見ると、不動産流動化事業が1263億円であり、売上の約7割を占めています。営業利益ベースで見ると、不動産流動化が602億円であり、営業利益の98%を占めています。同社の不動産流動化事業の営業利益率は47%、祖利益率では5割を上回っています。同社は、売上構成で見ても、営業利益で見ても、一にも二にも不動産流動化を主体とする会社なのです。

同社は、不動産価値創造、開発型証券化を得意としているといっていますが、不動産流動化とは、基本的に不動産を取得して金融商品化・証券化して、転売することによって利益を得ることです。お城通り地区再開発事業についていえば、再開発ビルを転売することです。土地は市民その他のもので、アーバンコーポレーションのものではないので、当然ながら転売はできません。

再開発事業事業施行者審査委員会の審査講評には、<事業の推進・実施体制>として、「流動化事業本部が窓口となり、設計者、建設会社、運営会社等をコーディネイトする」と書かれています。コーディネイトとは不明確な表現ですが、同社の流動化本部が当事業を不動産流動化事業として推進する計画であると思われます。

アーバンコーポレーションは、基本計画段階で57億円の事業費(自己資金47億円、国・県・小田原市の補助金10億円)を投じる計画とのことです。自己資本47億円のうち35億円程度は借入金で賄うとしています。また、コンベンションゾーンの利用に係る小田原市に要求する金額として、①基本設計ベースで家賃収入相当190,000 千円-運営収支等▲45,000 千円=235,000 千円、②変更提案として、家賃収入相当168,000 千円-運営収支等▲41,000 千円=209,000 千円と書かれています。

審査講評には、「ビルの所有と管理を分離するという観点から、将来的に不動産
の証券化も選択肢として残しているが、竣工後5年間は所有権を移転しないこととしている。その後についても、地権者等との協議を行うこととしており、事業全体のコンセプトが継続されることから、問題はないものと思われる」と書いてあります。

以上を前提に考えますと、大きな疑問が生じます。「ビルの所有と管理を分離する観点」とは、いったい何のことでしょうか。簡単な言葉で言えば、「転売」するということでしょう。「選択肢」ではなくて、「目的」なのではないでしょうか。本当に「問題はない」のでしょうか。

5年後に流動化(つまり再開発ビルの転売)して、上記の事業費・自己資金に対して同社の不動産流動化事業の47%という大きな営業利益を得ようとしているのでしょうか。従来通りの利益率で単純に計算すれば、20億円程度の営業利益が見込まれます。それとも、単純な投下資金回収であって、利益を見込んでいないのでしょうか。

第2の疑問は、小田原市に要求する金額、概算2億円(50年分とすれば同100億円)は、期待される流動化による利益(転売益)を見込んだ数字なのでしょうか。転売益を見込まずに、必要なキャップレートが確保できる金額なのでしょうか。

同社の平成19年3月末の同社の連結ベースの短期借入金、CP、社債、長期借入金の残高は、2944億円、自己資本比率は20.0%となっています。現在の自己資本比率からすれば、これ以上借入金を増やして、採算性の低い事業に積極的に投資するのはあまり得策とは思われません。小田原市民のために、あえて採算性の低い事業に投資されるおつもりなのでしょうか。

5年後に建物を流動化(転売)するのか。その際、どの程度の利益を見込んでいるのか、見込んでいないのか。小田原市に要求する金額は転売による利益を見込んでいるのか。見込んでいないとすれば、実際に転売益が生じた場合に、市有地取得に74億円を投じたといわれる地権者である小田原市その他の土地所有者、助成金を支出する国、県、小田原市、それ以外に100億円をつぎ込む小田原市に利益を還元する意思があるのか。それとも、独り占めにするのか。

疑問は尽きません。「証券化に問題がないのか」どうか。地権者であり、また助成金の交付主体であり、さらに100億円の金額を支出する小田原市、並びにその監督機関である市議会、とりわけ建設経済常任委員会にはこうした点を精査する義務があると思います。市民の一人として徹底的な調査を要求します。

投稿: 市民M | 2007年6月23日 (土) 17時28分

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