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2007年8月 1日 (水)

愚かな「再開発」施策

 7/25の記事に『8月7日、10日、12日の3回、市民に対し「事業計画説明会」を開催なさって、10月に「着工」されるそうです。』と書き込みました。本当かね?という気持ちが強かったのですが、今日8/1発行の広報小田原に告知記事が小さく掲載されていますので、やはり本当に実施するんですね。7/25の委員会では、まだ何もはっきり決まっていない、「優先交渉権者」の案を紹介しただけ、こんな報告だったのです。これまでの、小田原方式では、全部決まりました、これでやります、ご理解願います、こんなことでしたが、今回はまだ固まっておりませんが、皆さんのご意見で考えたいということなんでしょうか。ということで、10月着工なんてことはあり得ないでしょうから、この施策の何が問題か、もう一度考えてみましょう。
 第1 整備構想からの逸脱
この事業は平成11年3月の神奈川県と小田原市で策定した「広域交流拠点整備構想」に基づくものです。基本コンセプトでは、コンベンション機能こそ交流促進の要と強調しています。にもかかわらず、事業案は商業施設重点計画です。(事業案の面積比 コンベンション5.2%、ホテル12.6%、村井基本設計案の面積比 コンベンション20.2%、ホテル35.9%)明らかに、整備構想から逸脱しています。
第2 補助制度事業としての不適格性
この事業は平成1年3月より「市街地再開発事業」を想定して進められてきましたが、平成16年10月「優良建築物等整備事業」による事業に転換して、一般業務代行者(村井合同設計)作成の 「事業化計画の概要」を決定して進められてきました。しかし、この制度要綱が目的としているのは「密集不良市街地を再開発して新たに良好な共同住宅や公共施設の整備を図る」ものです。現用地は、ほぼ公用地の更地で駐車場に臨時使用されていますので、不良市街地とは考えられません。事業として不適格であり、補助事業としての適格性を欠いています。(補助金は村井第1案で25億円、第2案で10億円、今回の事業案で15億円を想定しています)
第3 一般定期借地契約の不当性
この事業では、施設本体は「50年の一般定期借地権設定」、付属駐車場は「20年の事業用借地権設定」により、民間事業者が施設を作り、収益事業を行うとしています。施設本体についても、事業用借地とするべきで、50年という長期設定は、住宅系の施設(単機能)にのみ許されるものです。今回の事業用施設の寿命を50年と想定するのは、明らかに無理です。
第4 賃貸借契約の保全策が不明
経済行為としての賃貸借契約には、契約当事者に何らかの保証をします。この事業のための小田原市の用地(旧国鉄などから取得)には、73億円ほどが投じられたと言われています。土地建物の賃貸借契約の際には、所有者の権利保全のために「保証金」が求められるのが普通です。しかるに、これまで保証金については全く明らかにされていません。「50年後には更地になって返ってきます。契約に明記されますので何の心配もありません」と所管課は説明しますが、どんな保全策があるのでしょうか。契約相手をご信頼するのですか。50年後の市民にこの信頼を負担させるのですか。
第5 不動産証券化のリスク
「優先交渉権者」は、5年後にはこの事業で出来る不動産を「証券化」したいとしています。確かに担当部長が言われたように「不動産の証券化は常識」になってきつつあるのでしょう。しかし、公有地、定期借地権の用地を敷地とする不動産を証券化するのが常識でしょうか。常識というなら、100事例ほどを挙げて下さい。「青山に一つあります」というのでは、常識になったとは言えません。建物所有権と土地の定期借地権が信託譲渡されて、それが投資家に分配されて、事業費がまかなわれるのですから、「配当を受ける権利を持つだけです」という説明は成立しません。50年後に証券保持者の権利が争われることになるでしょう。「更地になって返ってこない」というリスクをかかえた事業は不当です。
第6 コンベンションホール経営のための小田原市の負担は50億?100億?
 コンベンション施設は、わずか1,850平米(550坪)になりましたが、市の負担額は「当初提示案の年額2億円から1億円の間、事業施行者の採算ラインに収入が不足するだろうから、その不足分を負担する」との説明です。どういう契約をするのでしょうか。経営者は収支差額を請求できるという契約なんでしょうか。親方日の丸経営ですね。市民に50億円から100億円の負担が発生する契約をするのは、明らかに不当です。
 まだまだ不明な部分が多くて、十分な問題指摘ができないのですが、上記のことだけでもきちんと説明して欲しいですね。小田原市議会の委員会報告の資料は、7/25の記事に.pdfで添付されています。ご覧ください。
 (広報小田原8月1日号の説明会案内を転載します)
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小田原駅東口お城通り地区再開発事業計画説明会
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問い 再開発準備組合事務局(広域交流拠点整備課内) 電話 0465-33−1655
 小田原駅東口お城通り地区再開発準備組合では、再開発事業の予定やコンベンション施設・駐車場などの事業計画をお知らせするため、説明会を開きます。 事前申込の必要はありませんので、当日直接会場へお越しください。※市民会館には駐車場がありませんので、周辺の駐車場をご利用ください。
開催日時・場所
●8月7日火曜日19時から21時
 市民会館
●8月10日金曜日19時から21時
 マロニエ
●8月12日日曜日14時から16時
 生涯学習センターけやき

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コメント

 5年後の証券化実施の際に、特定目的会社(SPC)に不動産の所有権を移転することは議会の委員会においても言及されています。この証券化についてSPCが賃料などの受益権を証券化した後、不動産を売却して解散してしまうのが一般常識であることを市所管課は意図的に説明してません。
 都内では公有地を同様の方法で証券化している例がいくつかあるようですが、(定期)借地権の譲渡についても当初から一定の同意を与えた契約にしています。小田原ではその点について説明を敢えて避けています。誰ともわからぬ者に賃借権を移動させておきながら、50年間安心の不動産賃貸経営なんてあるわけがないんです。

投稿: 爽風 | 2007年8月 9日 (木) 22時21分

これなら、100メートルタワーの方がまだましじゃない。
コンベンションもホテルも、商業施設も中途半端。
使い物にならないでしょう。

投稿: | 2007年8月28日 (火) 17時00分

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