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2007年9月

2007年9月30日 (日)

もう一度、建築の質(城下町ホール)

 今月の初めにも、「建築の質」と標記して記事を出しました。都市にとって、このことが如何に大切なことか、黙っていられず再度しつこく書かせていただきます。
 山本理顕氏の「凸面状の空間を造りたい」というエスキース案が、「非日常性を感じさせる魅力ある提案」という藤森照信さんなどの意思が選定委員によって支持され、小田原市によって山本理顕氏は設計者と決定され、そして基本設計、実施設計と進み、小田原市は遂にその建設工事を神奈川県企業庁に要請したようです。
 この間、市民意見は凸面状の空間によって犠牲になった「ホール機能」を鋭く指摘し、見直しを求める署名は、36,000にもなりました。しかし、小田原市の執行機関も議会も、「非日常性を感じさせる魅力ある提案」は、小田原市のまちづくりにとって、必須の事業として大きな財政負担を承認しました。
 まず、この事業によって、山本理顕氏が言われる「凸面状の空間」が出現するのでしょうか。確かにHPシェルによる壁面は完成するでしょうが、ホール機能を満たすべくさまざまな反射板や照明設備、音響設備、舞台設備が附置されますので、「凸面状の空間」は、「半分」の姿をさらすことになります。山本氏が望んだ空間は、まさに中途半端な、おぞましいものになる危険さえあります。藤森さんが魅力を感じた「非日常性」は、エスキースの中にだけあったのではないでしょうか。
 私たちの小田原のまちの中心に出現する建造物は、まちづくりの決定的要素になります。ランドマークとでも言うべき建造物が、このような不確かで、不明な意思決定によって現実化するというのは、何とも理解できません。もしも、小澤市長、市議各位が、この建築構想を優れたものとお考えなら、山本氏がイメージされている、都市の自由広場、お祭り広場を求めるのであれば、「基本構想」を改定して、山本氏の「凸面状の空間」を最後まで、完全な形で実現させてやるべきです。この自由広場構想を支持し、この事業の早期実現を陳情されている方々は、どうしてこのような中途半端な建築を容認するのでしょう。ささやかにでも都市の質に誇りをお持ちであれば、こんな不明な建造物を許すべきではないでしょう。
 繰り返しますが、都市にとって建築の質は、極めて重要な要素です。その判断がつかないのであれば、市政を担う資格はありません。自らに判断力がないのであれば、しかるべき外部評価を受けるべきです。
GA JAPAN 79号(3-4/2006)に紹介された山本理顕氏の構想されている空間です。

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2007年9月22日 (土)

市長さ〜ん!!

 今年(2007年)の市議会9月定例会は、記憶に残るものとなりました。9/7の建設経済委の補正予算修正、9/14の本会議に於ける補正予算修正の否決、原案の債務負担行為(年度限度額規定なし)を19議員の賛成で可決。この本会議で、議員の「討論」がありましたが、いやはや、討論ということ未だかつて未経験なのでしょうか、それとも意図的に討論しないことの申し合わせ?困った議会です。何かあったのでしょうか?
 長時間の傍聴にそうは付き合っていられませんが、9/19にもご前中だけ傍聴の時間が取れました。おかげで、貴重な光景を目にすることができました。
 関野隆司議員(共産党)の質問「城下町ホールが問題になっている最大の原因は、湾曲壁面HPシェルだ。これのどこが優れているのか。妹尾河童、井上ひさし、橋本英治、阿藤快の各氏は、使う側の専門家として、びっくり仰天、わけのわからない厄介者などと言われているが、もっと専門家の意見を聞いて見直すべきだ。市長の考えは如何」
小澤良明市長「湾曲壁面は音響上有効、耐震性、施工性などにも配慮している。専門家と言われた皆さんは、共産党に好意を持っていられる方と受け止めている。そう言うことかなあと受け止めています。」
 議場からは、驚きと失笑の声が上がりましたが、それだけ。この発言は、市長という権力者のパワーハラスメント以外のなにものでもありません。議会で大きな問題として議論すべきです。
 瀬尾河童さんのコメントは、私自身がこの事業の姿を知らせたことから、多忙な毎日の中で、「小田原市に立派なホールをつくって下さい」という強い願いで、コメントをいただいたのです。妹尾さんが共産党に好意をお持ちになっているのかどうか、私には関係のないことですし、見直しを求めている多くの仲間も関係のないことです。いったい市長は、妹尾さんが何をなさっていられる方かご存知なのですか。どんな実績を残し、多くのユニークな著作で読者を引きつけ、高齢になられた今も現役として良い仕事を残されている、心のしっかりしたリベラルな方です。彼の著作は、かなり私の手元にもあります。お読みいただけるようでしたら、お届けいたします。
 この21世紀に、異議申立ての声を「共産党」というレッテルを貼ることで、排除しようと言う「マッカーシズム」の亡霊を見た気がしました。既に15年にわたって20万都市の市長をなさっていられる方ですから、それなりの知性と品性をお持ちと考えていましたが、長期権力の座に座ると、このような発言をはずかしげもなく、地方議会の公式の席で発言できるのでしょうか。それとも、残暑のため乱心なさったのでしょうか。
(妹尾さんには、毎月はじめにこの事業の推移を報告しています。市長答弁を正確に報告したいので、議事録の公開をして欲しいのですが、公開は普通年末頃だそうです。何とか、正確に記録なさった方はおいでではないでしょうか。CATV放映のビデオ記録など残された方は居られませんか。)
 市民運動の中には、共産党の支持者も公明党の支持者も居られます。ほとんどの方は無党派でしょう。私自身は、共産党の政策提案に賛成のものもありますし、同意できないものもあります。今年の市議会選挙も参院選挙も共産党に投票したわけではありません。でも、かなり「共産党っぽい」と見られているようです。「異議申立党」なら甘受しますが。共産党は、確かな野党と言う国政のチェック機能をめざしていますが、私たちは、地方政治の中でチェック機能ではなく、市民参画による推進力になることをめざしています。城下町ホールの、設計がわけの分からない厄介者になり、びっくり仰天するようなものになったことの責任を市民として自覚し、何とかして全うな普通のホールを実現させたい、そのホールが市民の文化創造に活用され、日常的に「20万市民の交流にも」役立つようなそういう、当たり前の施設をつくる力になろう、そんな運動であることを、認知して下さい。

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2007年9月16日 (日)

自分たちのまちは自分たちでつくる

 先週の金曜日(2007年9月14日)、小田原市議会9月定例会本会議で、補正予算が、19議員の賛成で成立しました。この補正予算には、9億円弱の市債発行、16億円弱の歳出追加、それに46億円強の債務負担を内容としたものです。建設経済常任委員会(9月7日)では、46億円強の債務負担削除の予算修正を可決し、本会議にかけられましたが、8議員の賛成しかえられず、否決されてしまいました。「討論」で7人の議員が発言されました。とても興味深い発言が続きましたので、「市民連絡会議ニュースNo.20」に発言主旨を記事にしました。その中で、一議員から「自分たちのまちは自分たちでつくる」という発言がありました。
 民間活力ということから、様々な形で民間事業者の資金力や事業経営力が活かされるようになっております。(仮称)城下町ホール整備事業も「調査報告書」では、PFI事業等の手法について20頁にわたって詳細な検討がなされています。この事業は、どういうわけか、平成17年1月26日に、小田原市市民部長植田理津子氏(現在小田原市会議員)が神奈川県企業庁企画情報課(当時)を訪ねて以来、「地域振興施設等整備事業」として、建設事業を神奈川県にお願いすることを前提に進められております。そのため、平成19年度当初予算に63億円強の債務負担が組まれています。
 小田原駅東口お城通り地区再開発事業は、市有地を民間デベロッパーに賃貸して、デベロッパーの計画に委せて「再開発事業」を進めるとしております。そのための新たな土地取得の費用とコンベンションホールの運営負担金として、46億円強の債務負担が、補正予算として突如9月定例会に上程されたのです。建設経済常任委員会で修正されたのは当然でしょう。
 私たちの小田原は、小田原城址という得難い歴史遺産一つを見ても、たいへん都市ポテンシャルの高いまちです。なぜ、市民の力、事業法人の力、行政の力、これらの総力を挙げて「身の丈にあった」まちづくりをしないのでしょうか。なぜ、他人委せのような安易な方法を選択するのでしょうか。私たちが長年にわたって大きな債務を負うことも、事業のリスクを負うことも、私たち20万市民の責任で進めるべきではないでしょうか。
 私たちは、いまこそ「自分たちのまちは自分たちでつくる」という、責務を負うためにも市民参画を強く求めていくべきです。すべてのリスクは市民が負うのです。行政が負うのではありません。
 もう一度言います。「自分たちのまちは自分たちでつくる」

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2007年9月11日 (火)

September 11.

 今日は、WTCの惨事から6年目の記念日。あの情景をliveで見てしまったショック、ただ事ではない記憶です。「911」以後の、アフガン、イラク、パキスタンなどなど、惨事は連鎖となりました。我が総理安倍晋三さんは、捨て身の特措法延長。予断を許さない情勢のようです。
 8日の土曜日、新潟県加茂市長の小池清彦さんにお会いしました。彼は、元防衛庁の教育局長ですが、憲法9条を守ろうと精力的に動いています。とても分かり易い彼の話。9条が無くなったら、完全な米軍の共同軍になる。米軍は今、イラクなどで毎月100人ほど戦死している。日本も30人ほどの戦死者を出すことになるかも。そうなって、自衛隊に志願応募する若者が居るだろうか。現在規模を維持するためには、徴兵制は避けられない。そんなことが出来るだろうか。もし徴兵制が否定されたら、自衛隊はなくなる。それでは、専守防衛も出来なくなる。こんな話です。
 駅頭行動などで、フリーター風の若者の話を聞いていると、北朝鮮がテポドンを撃つから軍隊は必要。9条を変えないと北朝鮮に負けてしまう。こんな風な心情を伝えられます。毎月30人の若者の命、これが国際貢献に血を流すということなのでしょうか。安倍さんは戦後レジームからの脱却と言われますが、むしろ戦前レジームが残っていることが問題なのではないでしょうか。
 佐藤忠男という映画評論家、日本映画学校校長、この方の近著に「草の根の軍国主義」(平凡社)があります。自らの体験(敗戦時は大日本帝国海軍二等飛行兵)を分析しつつ、日本社会を覆っている「草の根」を暴きだしています。小泉さん以来の「軍国主義」の市民権拡大は、再びの敗戦を呼び寄せるのです。
 私たちの宝物「9条」は、しっかり守りたい。

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2007年9月10日 (月)

住民の地域自治とは

 昨日(2007.9.9.)の神奈川新聞で、とても残念な報道に接しました。
 「大和の大木新市長 市民自治区を中止へ 先行活動の住民に不満も」という見出しで、前市長の先進的な施策としてスタートした市民自治区が、「広く市民の理解を得ているとは思えない」という理由で、制度中止を決めたというのです。地域自治をそだてることで、まちづくりの新たな手法を生み出そうとする施策ですから、旧習の自治会長さんなどには違和感があったものと思われます。大和市の市長交替が、このような形で自治を後退させる方向に進むこと、本当に残念です。
 去る8月27日には、「自治会費で寄付、無効 赤い羽根などで 大阪高裁判決 思想信条の侵害認定」と同紙は報じています。原告は、滋賀県甲賀市甲南町の希望ヶ丘自治会の住民。小田原市でも当然のように、このような寄付集めは自治会の責務にされ、会費納入と同時に一括集金されています。
 自治会が地域自治を担っているように考えられていますが、その組織・運営ははなはだ心もとない限りで、行政庁がその施策の実施について関与させるのであれば、きちんとした条例に基づく制度を作るべきではないでしょうか。一部団体の寄付集めや、市の広報紙の配布などに曖昧な形で利用することは、明らかに「違法」というべきでしょう。これからの環境問題、防災問題など、地域の自治を大きく育てていくことでしか解決できないことは明らかです。司法にも公正と判断される地域政策を望みます。

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2007年9月 9日 (日)

西湘バイパスの崩落

 今度の台風は、9月6日の夜に小田原に上陸しました。西湘バイパスは、高波のためお昼頃から通行止めになっていたようです。車両通行のない時間帯の翌日7日の午前6時ころ、海側の一部が崩落したようです。
 神奈川新聞9月9日号の記事を紹介します。
1キロ超崩落・西湘バイパス 復旧めど立たず
 台風9号で擁壁が一キロ以上にわたって崩落、道路の陥没などが起きた西湘バイパス(大磯町〜小田原市、二〇・五キロ)の応急復旧工事が八日、始まった。しかし、崩落を食い止めるのが主眼。崩落個所によって道路管理者が異なる事情などもあり、通行止めが解除される見通しは立っていない。崩落があったのは、二宮町の西湘二宮インターチェンジ付近。西湘バイパスは同インターの東側を国土交通省横浜国道事務所が、西側は中日本高速道路が管理しているが、東側は約一キロ、西側は二カ所計二百五十メートルが崩落した。崩落個所はアスファルト下の土砂が流され、路面の一部が陥没。ガードレールや照明灯も倒壊した。被害はいずれも海側の下り線に出ており、上り線は崩落をまぬがれた。このため、まず中央分離帯付近に鉄板を打ち込み、被害の拡大を防ぐ必要が急務となっている。中日本高速道路は鉄板の打ち込みにより、「一〜二週間で上り線を通れるようにしたい」としているものの、横浜国道事務所は「道路の安全性を確認しないと、すぐに通行できるかどうか分からない」とも説明。本格復旧の工法や着手時期については、どちらも「未定」という。原因については「擁壁の老朽化や施工不良などはなく、猛烈な雨や高波が長時間続き、擁壁が持ちこたえられなかった」とみている。通行止めが続いているのは、上りが大磯西〜橘インター間、下りは大磯西〜国府津インター間。西湘バイパスは一日三万台超の車が走り、箱根、伊豆方面へ向かう観光客が多く利用。横浜国道事務所は「並行する国道1号は混雑が激しい。当面は東名高速道路や国道246号などを利用してほしい」と呼び掛けている。現場空中写真
 上り線の復旧を急いでいるようですが、土砂崩落ですから、崩落拡大の阻止が先ず第一でしょう。崩落部分の下り線を完全に撤去してから、基礎工事のやり直しなんでしょうか。かなり困難な、リスキーな工事になりそうですね。中日本高速道路株式会社のサイトでは、箱根新道の被害も報じられ「応急復旧完了まで数日を要する見込み」とされています。サイトで開いた被災箇所状況の写真です。
 国土交通省横浜国道事務所のサイトの被災状況もご覧ください。
 西湘バイパスは、1970年11月の供用開始から、既に37年の歴史があり、その間順次路線を延長して現在の形になり、箱根バイパス、小田原厚木道路にも接続するまでになっています。この高架道路により、大磯、二宮の2町と小田原市のビーチは、完全に失われてしまいました。湘南海岸は、藤沢、茅ヶ崎、平塚が生き残っていますが、どのような経緯で大磯以西の西湘のビーチは不要と判断されたのでしょうか。この相模湾ビーチは、沿岸都市の成長の中で、決して失ってはいけない宝物です。
 今回のダメージから、新たな見直しが検討されるべきではないでしょうか。太平洋ビーチの喪失と中央公園内の競輪場のいたずらな延命は、小田原市のまちづくりにとって致命的のように思います。如何に困難であっても、検討を急ぐ大きな課題と思います。

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2007年9月 5日 (水)

建築の質

 いま、小田原市のつらい課題となっている二つのまちづくり事業、城下町ホールと駅前再開発のことです。城下町ホールの設計案は、藤森照信さんが委員長となって、伊東豊雄、本杉省三の専門家委員、市橋匠、坂本惠三の小田原市委員、松村みち子タウンクリエーター委員、この6人の方が、238点の応募案の中から山本理顕さんのエスキースを選定されました。山本さん「凸面状の空間を造りたい」委員会評価「非日常性を感じさせる魅力あふれる提案」「舞台を無視した設計にはならない」こんなやりとりで、3票の支持を得て選定されています。
 63億円の債務負担を市民に負わせる決定が、こんなことで決まってしまうのかなあと、いささか悲しい思いです。私たち市民は、老朽化した「市民ホール」が新しい機能を持ったすてきなホールに、狭い敷地ですが、何とか誕生すると楽しみにしていましたが、「非日常的な凸面の空間」を選定されたのです。まちづくりにとって「建築の質」は重要なものです。63億円の債務負担が意味を持つような名建築が誕生するのであれば、私たちも納得できるでしょう。「凸面状の空間」の価値をお教え下さい。
 藤森委員長、市橋副市長、この設計案が小田原市にとって最高の提案であることを市民に説明して下さい。選定委員は、お遊びではありません。小田原市民は、平成41年まで、63億円を超える負債を負うのですよ。委員長から説明がないのであれば、小澤市長、山本案が建築の質として最良のものであることを説明して下さい。
 駅前再開発の設計は、まだ全く見えていません。村井案のときは、多額の費用を投じて、基本設計まで見せてくれました。今回のアーバン事業案では、建築は何にも姿を見せていません。にもかかわらず、この優先交渉権者を事業施行者にしようとするのはなぜですか。
 まちづくりにとって、建築の質はきわめて大切なものです。小田原市、選定委員、しっかり説明をして下さい。ホールの所管課には、この希望を8月にお願いしてありますが、いまだ回答をいただいておりません。
 

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