« 長寿医療制度?? | トップページ | 普天間米軍海兵隊基地(2) »

2009年12月27日 (日)

大雄山荘の無惨

091226yuzanso1 昨日の午前4時過ぎころ出火、「大雄山荘」が焼失しました。この山荘はご承知のように太田静子氏の「斜陽日記」が書かれた疎開時借宅で、太宰治氏が数日滞在して、それを素材に「斜陽」を構想したというのがほぼ定説のようです。日本の敗色が隠せなくなった中、母とともに下曽我に疎開して満開の梅林を見た静子氏は『滅び行く、日本の、「桜の園」。いいドラマが書けそうね。』と「日記」に書かれています。
091226yuzanso2 この「斜陽」山荘は長年にわたって、公有化保存の声が蓄積されつづけてきましたが、空き家として放置され荒廃にまかされていました。「太宰」「斜陽」の評価云々ではなく、この空き家が「不動産」として立ち往生して居たからのようです。このようなことが発生し、まち壊しが「放置」されるのは、資産税制度の問題にあるように思えます。「大雄山荘」のようなヘリテージの問題だけでなく、すべての空き地・空き家放置は、地域社会にとっては犯罪行為です。未利用不動産への経年累進課税は,かなりの国で行なわれてるようです。数十年放置された「不動産」が、まち壊しであることは明々白々です。
 土地・建物の「所有権」は単なる「私権」ではないはずです。地域社会が、共同体として「入り会い」できる「社会的資産」でもあるべきです。この無惨な「まちの記憶喪失」事件もこのような風土の上にあると思います。五十嵐敬喜氏たちが提唱している「土地総有」という新しい所有概念は真剣に論議されるべきもののように思います。

|

« 長寿医療制度?? | トップページ | 普天間米軍海兵隊基地(2) »

コメント

この建物の地主は固定資産税を払っていたいうようですし、
(マンションで問題になったお城裏の某病院の方とは異なり)私有財産である以上、公も口を出せないんですね。
価値あるものに関しては史跡指定し、強制的に行政の管理化に入れてしまうしかないんでしょうね。

それにしても、
地主いわく「朽ち果てるのが一番」
まさにご希望通りの結末になってしまい、さぞかしご満足でしょう。こんなことが平気ででてくるのは小田原市民の文化的貧困性の仕業でしょうか?

某市の前市長さんは例の病院の土地についても、
買い叩こうとして買収失敗、そんで大騒ぎになって、
結局高い月謝をはらって公有地化したそうとか・・
老欅荘もそうでした、取り壊してニセ黄梅庵を作ろうとしていたりと、こんな調子ですから、今回のことも某前市長さんにも責任の一端があるんじゃないでしょうか?
いったい行政は何をしていたのか?
いままで手をこまねいておきながら、
消失して「貴重なものを失った」とは、何事なのでしょうか?
全国的に小田原の大恥が知れ渡りました。


歴史建造物の不審火が続出しています。
放火だとしたら怖いですね。
他にも貴重な古建築が多く存在します。
余り書くと、放火魔を刺激しかねませんが、
市の管理する文化財でこのようなことが続出するようなら、
今度は市長をリコールするしかありません。

投稿: 小田原不良市民 | 2009年12月27日 (日) 13時52分

小田原不良市民さん 私の言葉足らずだったのでしょうか。固定資産税を納めるのは、当たり前の話ですが、正当な理由なく未利用となっている土地建物の資産税は、経年とともに累進課税されるという制度のことを求めたいという趣旨です。2年以上未利用だと20%累進課税、5年以上未利用だと50%累進課税といった制度です。土地建物の私権があまりにも大きすぎるのです。
 1月3日追記 出火当日に現場で記者の取材を受けた際にも、同様の資産税法上の制度欠陥を話したのですが、かなり受け止められ方がずれて記事になっているのを、今日知りました。長年保存運動に取り組んでいられる方たち(故人となられた方も)の思いをもとに答えたのですが、これも言葉足らずだったようです。

投稿: 松本 茂 | 2010年1月 3日 (日) 22時01分

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)


コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。



トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/139245/47127006

この記事へのトラックバック一覧です: 大雄山荘の無惨:

« 長寿医療制度?? | トップページ | 普天間米軍海兵隊基地(2) »