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2010年1月 3日 (日)

マンションの再生

100101centralheights1 小田原市中町にある1977年竣工の10階建てのマンションです。この地ではかなり初期の大型マンションです。1992年にここに入居して小田原市民となりました。「住まいのこと」という記事もあります。
 このマンション自治会は、入居以来これまで32年間、元旦賀詞交換会を続けております。私も入居以来、転居した今も必ず参加しています。今年は快晴でしたが風が強く、皆さんかなり寒い思いをされました。100101centralheights2 ご承知のように、高層共同住宅という住居形態は、都市居住にとってすぐれた手法です。わが国では、この共同居住を、区分所有権という厄介な概念で大量供給を進めてきました。どんなにひどいマンションであれ、すべてその取得者、区分所有者の責任と負担で維持保全しなければなりません。躯体はもちろん、廊下・階段・エレベーター・諸設備など、共用部分がありますからその保全についてはすべて区分所有者の「合意」が必須条件です。そのためには調整機能を持った何らかの主体(管理者)が必要です。法では区分所有者の「集会」での意思決定としています。マンション区分所有権の初期販売は、通常「開発業者」によって「管理組合」の仕組みが用意され、所有権の取得とパッケージで契約されます。入居者は「管理業務」などできませんので、管理業を請け負う商業法人などとの一括管理の委託契約が設定されています。
 画像のマンションは、経年32年になりますので、その間の管理手法、集会の意思決定などはさまざまな経験の蓄積を経て、現在は「自主管理」となっています。建物の経年と同様に区分所有者も加齢してきます。30歳で入居した居住者は、62歳になります。かなり高齢の皆さんによって、理事会が成立し、ハードの部分の管理は施設保全専門委員会で、丁寧な計画のもとに区分所有者の「合意」を得て維持保全が進められています。
 このまち小田原にも、かなりの大型・高層マンションが出現しました。さまざまな住宅地などで紛争を起こしながらも、完成していきました。区分所有者は、所有権取得と同時に「小さな自治体」の構成員になるわけですが、そのような認識は希薄のまま居住されています。10年、20年と経年するとともに、維持保全の問題が大きな負担になってきます。当初の修繕積立金では、大規模修繕ができない、一時負担金の合意ができない、などなど問題が露呈してきます。問題解決には「自治体」構成員全員の参画が望ましいのですが、「管理組合」が適正に機能しないような事態も起きてきます。この「小さな自治体」には、行政からの支援が必要として、「マンションの管理の適正化の推進に関する法律 (2000年)」などが制定されています。
 画像のマンションの管理組合は、維持保全はもちろん、既存施設のグレードアップにも取り組むなど、「再生」への努力に真剣に取り組んでいます。区分所有居住者には定年を迎えた方も多く、面倒な管理組合業務の執行に積極的に参加されています。これは、たいへん希有な成功事例ですが、都市にとってマンションは貴重な社会的資産であり、適正に維持保全されるか、あるいは自治放棄・施設荒廃に至るかは、都市経営にとって極めて重要な課題になってきています。
 老朽化したマンションの建替えを推進するとして、「マンションの建替えの円滑化等に関する法律」が制定されていますが、施設の老朽化は当然に区分所有者の高齢化と重なります。法に定める合意要件を満たすことは非常に困難で、「建替え」計画が10年15年とたなざらしになっているマンションが多く、「建替え」に成功した事例は少ないのです。
 ここに挙げた事例のような、「再生」「グレードアップ」の推進を支援することこそ、都市経営者にとってもっとも適切な施策だと考えます。民間住宅支援ではなく、「小さな自治体」への行政支援として取り組んで欲しいものです。

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