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2010年4月20日 (火)

欧州共通歴史教科書

100420histoire 欧州共通歴史教科書は、1992年EU加盟国で同時出版され、韓国、米国、日本(1994年)など世界各国でも翻訳出版されています。第2版は「第12章 統合ヨーロッパに向かって?」が増補され、日本語版も出されました。EC委員会(当時)の支援も多少あったようですが、この出版は歴史研究者自身による企画で、各国の出版社からの発行を前提とした作成作業でした。
 「日中」「日韓」の歴史共同研究について3月に記事にしましたが、「アジア共通歴史教科書」などというのは夢のまた夢なんでしょうか。この欧州共通歴史教科書は、欧州各国の12人(第2版は14人)の歴史家が80年代から「ヨーロッパ史」の成立を目指して果敢に取り組まれたようです。もちろん各国とも政府からの関与はありません。とは言え、百年戦争、スペイン継承戦争などなど、国の立場で真反対の評価などを乗り越えるには、かなりの論争を経てのことだったでしょう。
 第2次世界大戦については、独ソ不可侵条約、電撃戦(ポーランド侵攻など)、ドイツ軍のソ連侵攻、犯罪(人質の処刑、ユダヤ人狩りなど)、対独協力とレジスタンス、ドイツの敗北という項立てで、簡明に記述されています。この書の記述者たちは、「国民国家は、はたして模範的国家か」「国民国家の狂気に起因した第2次世界大戦により、ヨーロッパは破滅の淵に追いやられ、それぞれの国土は米ソ両国の意思のままに分割された」という序章の問題意識を共通の認識としています。
 本年1月の「日中」3月の「日韓」歴史共同研究報告書を拝見する限り、このアジアに於いては、それぞれの「国家性」への固執が全面に立ちはだかり、あらゆることで歴史認識、歴史事実の認知にことごとくぶつかり合っているように思えます。特に「日韓」は第1次と第2次にわたる8年間の研究者による膨大な「論文」の蓄積がなされ、「両国」の歴史認識の差異が際立ちました。韓国側の強い要望で設けられた第2次での「教科書小グループ」においても、「独特なキャラクターの委員」の存在などから、研究テーマの選定過程から「組み手争い」で多くの時間を費やしたようです。報道でも『「教科書」溝埋まらず、継続危うく(毎日新聞)』と伝えられました。
 我が日本国でも、首相の言葉で「東アジア共同体」などという壮大な構想が語られるまでになりましたが、一方で中国大陸・朝鮮半島を射程に於いた米軍基地を抱き続けなければならない「日米」安保の軛を掛けられています。「韓国併合条約締結(1910.8.22.)」から、今年で100年を経ようとしています。国家間ではいまだに「近くて遠い国」のままです。東アジアの安寧が「米軍の抑止力」で保つという幻想は既に破綻しています。米軍基地の再編無策で政権崩壊などという醜態を曝すことになるのでしょうか。「脱米親亜」を現実のものにしたいと強く思います。

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