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2010年8月19日 (木)

小田原城址公園は誰のものか

100819shokusaizu_3 平成5年3月に「史跡小田原城跡 本丸・二の丸整備基本構想」が策定され、それ以後この構想に従って住吉堀、銅門、馬屋曲輪の整備事業が進められてきました。今年度は御用米曲輪(旧野球場・臨時駐車場)の整備が始まろうとしています。駐車場の移転に先立って繁茂した樹木の伐採から開始されています。この場所は、小田原城を訪問する観光客や小田原駅から所用に出かける市民たちに重宝されていた「城内駐車場」ですので、お困りになる方も多いのではないでしょうか。小田原城址の土地は国有地と県有地がほとんどだったように思いますが、この駐車場は日本国から借用していたのでしょう。もう数年前から「駐車場臨時利用」の借地契約?は終了していたようで、ここの史跡整備の引き延ばしは限界に来た、それで整備せざるを得ないのだなどと言われています。
 小田原城周辺まちづくり計画のうち、小田原駅東口の1ヘクタールほどの土地(ここも臨時駐車場)を再開発して、城内駐車場の肩代わりをさせる計画があるように思えます。この再開発事業は、懐かしい思いのする「民活」手法のようで、業者募集が明日20日期限で行われています。
 御用米曲輪の整備事業は、まず最初に土塁などの発掘調査が必要なのでしょうか、土塁上に繁茂しているクスノキやスギなどの伐採から始めるとお聞きしました。計画では100本ほどの巨木が伐採されることになっております。計画書では『曲輪北東側土塁のクスノキ40本・その他30本。(天守閣の視界を遮り、土塁上にあり史跡整備にも支障をきたす) 曲輪南側のスギやクスノキなど。(天守閣の視界を遮り、曲輪取りも不明瞭にしている)』と記載されています。この伐採で、駅前からの天守閣眺望が改善されるそうですが、ビル屋上の広告塔などはどうなるのでしょうか。
 御用米曲輪を皮切りに、城址公園全域にわたって300本(一説265本、正確な算定はなされていない)ほどの巨木を伐採する計画が明かされました。確かにこの城址は計画書がいみじくも指摘するように、「原生林回帰的」植栽状況ではありますが、長期間にわたって管理放棄してきたことについては、何らの言及はありません。長年にわたってこの「原生林回帰的状況」は市民に親しまれてきています。突然のように「安全」「遺構保全」「眺望」などのために、300本近い巨木を切り倒すことは、市民のこころには大きな違和感を抱かせることになります。
 国有地といえども「小田原城址」は小田原市民にとっては、巨木の木陰がある大切なオープンスペースであり、遺構破壊を防ぐためとは言え長い生命を保ってきた老木が無惨に切り倒されることは、史跡保全という論理を超えて、堪え難い思いを抱かれるのではないでしょうか。
 やっと計画のデータが公開されましたが、市民のこころに響くような「管理計画」の説明を速やかに実施すべきと強く思います。行政対応が「原生林回帰」にならないことを強く望みます。小田原市議会でも、委員会による現場実査があるとのこと。(画像は8月16日に公開された管理計画植栽管理図に曲輪やその他の場所名を付記したものです。黄色い部分が伐採されます。御用米曲輪ですと48と49の樹木群、100本近くが伐採されます。緑色の部分の樹木群は枝落とし、ピンク色の桜は残るようです。)

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