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2010年10月 2日 (土)

小田原市自治基本条例(2)驚愕の素案

101002jichikihon 昨日10月1日に、「小田原市自治基本条例(素案)」が発表されました。前文と全19条の素案です。8月23日に公開された市長宛の「報告書」については、8月27日の記事「松下啓一委員長」に若干の感想を述べていますが、この素案、一読あらためて驚愕の「素案」です。昨年9月4日の自治基本条例検討委員会第1回会議以来、ちょうど一年、去る9月7日に報告書を出されるまで28回の会議を重ねられ、それ以外にも「オープンスクエア」と名付けられた公開検討会を11回、そのほかの取り組み(意見交換会)を8回など、呆れるほどの奮闘、これにも驚かされます。松下啓一相模女子大教授と今井邦人ファシリテーターというお二人の「専門家」と作業を進められた10人の市民委員のみなさんのご苦労はいかばかりだったでしょうか。
 これらの膨大な「市民力」の放出の結果としてのこの「素案」、何としても納得できません。松下氏の話には、たびたび「行政だけでは十分な対応が難しくなってきており」「市民が元気でその力を発揮する」基本条例はそのための「道具」であるとの信念をお持ちのようで、「行政、議会を規制・コントロールする」という立場はとらないとのお考えのようですから、その思想で作業を進められたのでしょうか。
 「報告書」でも「他とはずいぶんと違うものとなっています」と自負されている通り、まさに「松下条例」になっています。松下氏を委員長に選定された小田原市(行政)の意図は、なんだったのでしょうか。議会も行政も市民にコントロールされることは避けたい、他市町とは違うものにしたいということだったのでしょうか。
 第1条(目的)では、「自治の担い手の役割を定める」と記述していますが、「自治の担い手」とは何を指しているのでしょうか。自治の主体は市民です。その委託により自治事業を実施するのが市長であり議会であるのです。なぜ、明確に記述できないのですか。「自治の担い手」という曖昧な概念の中に地方政府の責務を覆い隠しています。
 第2条(定義)「(4)協働 相互の立場を尊重し、役割及び責任を分任し、力を存分に出し合い、協力し合うことを言う。」との記述。「相互」とは、誰と誰の関係でしょうか。「尊重」とはどういうことでしょうか。基本法の条文記述としてはあまりにも曖昧です。
 第3条(基本理念)「市民及び市は、市民力を生かし、本市の自治の担い手が協働することを基本とした自治(以下「市民自治」という。)の推進を目指すものとする。」との記述。「市民力」とは市民の力ですよね。「市」とは市政府、市長と市議会ですね。この条文の記述では、良く理解できませんが、市民の力を「生かして」自治を進めるのですね(いまでも市民力は死んでいませんよ)。当たり前のことのように思えることをこのように記述されると、市民に汗をかけ、怠けるなと「市の執行機関」にハッパかけられている気分になります。市民自治というのは「定義」されていませんが、協働を基本としたものだけが市民自治ということなんですか。市民が市長(市の執行機関)の意に反して動くことは「市民自治」ではないのですね。
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サイトに公開された「素案」.pdf は、コピペできない。この素案の不思議な記述をリライトするのは辛い。詳述するのはほどほどにします。
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 第6条(地域活動)「2 自治会は、地域活動の主たる担い手として」との記述があります。これは絶対に認められない。「自治会」という任意の組織が、条例で「主たる担い手」と規定することは違法な条例制定です。いわゆる自治会の存在には、さまざまな問題があります。実体的に「市の執行機関」が、あたかも公的要件のある団体の如くに扱われているだけのことです。松下氏は、何を考えていられるのでしょうか。
 第14条(情報の共有及び活用)「市民及び市は、---相互に提供し、共有し、及び活用---」との記述。呆れ果てます。ここでの規定は行政情報に視点を会わせるべきです。何を相互に提供するのですか。行政情報の積極的公開、広報こそすべての自治、「協働」を支えるものです。行政情報に限らず情報量は、「市(市の執行機関)」の所有するものが圧倒的に多いのです。「相互に提供」と対等の如く記述するのはまったくの欺瞞です。情報を秘匿することはもちろん廃棄すること、改竄することも「してはならない」と規定することなくして、「協働」など成立するはずがありません。
 第17条(住民投票)「市は、---直接住民の意思を確認する必要があると認めるときは、住民投票を行なうことができる。」との記述。住民投票の必要性の判断は「市(市長?議会?もちろん市長ですよね)」が行なう、ここだけは、「自治の担い手の協働」ではないのですね。一番大切な意思決定手法ですよ。住民投票は地方自治法に委せておけば良いということですか。基本法には定めたくないとしても、せめて「制度を設ける」ことは規定すべきです。基本条例の基本です。
 こんな非「民主」的な条例「素案」が登場し、「来年4月1日に施行する」との記述を目にするだけでも、余りにも情けない。パブコメは僅か15日間です。10月15日(金)締め切りです。(後日、別項に続く)

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