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2010年11月27日 (土)

虐待されている小田原城址の樹木

101126trees1 (この記事少し長いので、お時間のある時にどうぞ)委員会傍聴、途中退室でいささか頭に血が上ったままお城を逍遙しました。「15番地区の樹木(二宮神社裏)」はかなり以前に伐採されています。「明るく」なりました。おかげさまで、ふらつきながらもなんとかこの崩落石垣をよじ登り、痛々しい切株を撮影してきました。大正12年に崩落した石垣の復元が始まるのでしょうか。
101126trees2 城址一帯(都市計画公園5-5-1中央公園)は、第1種風致地区に決定(平成11年)されていますので、この伐採は当然、風致地区条例(神奈川県)第2条第1項による、特例市小田原市長の許可を得ているのでしょうね。許可にかかわる文書の公開請求は必要ですね。まさか、第2条第2項第11号の許可除外規定を適用したなんてことはないでしょう。
101126trees3gif 風致地区条例は、都市計画法第58条で都道府県の条例による規制を定めています。神奈川県の風致地区条例(昭和45年3月)の第2条第2項第11号の許可除外規定は次のようになっています。

(11) 次に掲げる木竹の伐採
 ア 間伐、枝打ち、整枝等木竹の保育のために通常行われる木竹の伐採
 イ 枯損した木竹又は危険な木竹の伐採
 ウ 自家の生活の用にあてるために必要な木竹の伐採
 エ 仮植した木竹の伐採
 オ 測量、実地調査又は施設の保守の支障となる木竹の伐採

101126trees4 これらの、古木の切株を眺めていると、城郭研究者グループが言い続けられている「鳥の糞樹木」「雑木」「放置樹木」に対する排除思想に思い至ります。この思想に基づく限り、城址の樹木のほぼすべて(保護樹木5本以外)300本どころか2,000本のすべてが「排除」の対象になりかねません。
101126trees5_2 この画像は、天守閣への階段途中から「10番地区の樹木」を撮影したものです。金曜日の午後ですが、大勢の観光客が木蔭のベンチに座られています。本丸広場での中心を形成していますが、植栽管理計画では、こう定められています。
『10 天守閣エリアのマツ5本。(天守閣の視界を遮り、地下遺構への影響が懸念される)』
 城址に存在するものはすべて地下遺構への影響が懸念されますので、すべて排除、整理の対象にされるのでしょうか。このマツ5本も「鳥の糞樹木」なんでしょうが、その出自にかかわらず、永年生きてきたものですから「整枝」ではだめなのですか。この地下にはどんな重要な遺構があるのでしょう。
 明治維新で廃城、解体した天守閣を鉄筋コンクリートの「模造天守」で復元し、100年以上にわたって「放置無管理」で成長を続けた樹木を、人間世界の身勝手さを棚において、「鳥の糞樹木」と蔑視したあげく排除してしまおうというのは余りにひどい「虐待」ではありませんか。
101126trees6 この画像は、天守石垣にそって設けられた「庭園」を撮影したものです。盆栽風のマツが、優良樹木なんでしょうか。ここだけは、エリート樹木として「剪定」管理がなされているようです。ミニサイズのマツも「鑑賞」の対象にはなります。
 小田原城址を「鑑賞」の対処にされるのなら、本格的ジオラマを作られることを、城郭研究者さん方に提案したい。20分の1なら古郭・新城を含めて25m×50mほどの用地で間に合いますが。本丸も二の丸も、精巧な立体復元ができ、観覧者は鳥瞰さえできるのです。こんな復元なら私も大いに手伝いたい。国の補助金は出ないでしょうから、技巧のまち小田原の神髄を発揮して、市民の浄財でまかないましょう。
101126trees7 これは同じく本丸「13番地区の樹木」たちです。これも「鳥の糞樹木」なんでしょうが、私はオープンスペースの心地よい豊かさを感じます。この樹木群を伐採して、本丸御殿の表面表示をするなど想像さえできません。現代生活者たちの「憩いの場」を取り上げ、「廃棄された城郭」を復元するために、現(うつつ)の暮らしを破壊するようなことは決して許されません。是非、復元はジオラマでお願いしたいものです。
101126trees8 これは、いよいよ平成23年事業で「整備」される「御用米曲輪」の現状です。現駐車場は県有地ですが、この隣地が市有地でこの7、8月に試掘調査が行われています。新たに設ける「植栽専門部会」は年末ころに第1回委員会を開き、今年度内に実施設計を済ませ、新年度に着工という目論みが昨日の委員会で公表されたそうです。県有地部分で行なう5つのトレンチ調査は、この12月に実施されるようです。(ここで駐車利用されている車たちは、行き先が決まっているのでしょうか。私などが心配することではないのかな)
101126trees9 この画像は「48番地区の樹木」、クスの大木が見事に密生しています。城址の中の「貴重な自然林」です。一番美しいところです。自然林なら当然のことですが、鬱蒼として「犯罪発生」「自殺多発」「倒木危険」「伐採スレッバ500万円稼げる」など散々に言われて、すべて伐採と宣告された樹木群です。70本伐採が22本伐採になり、「当面は」伐採しないなどと説明変質の甚だしい事例にもなっている樹木たちです。
 この土塁上の樹木たちの運命こそ、小田原市の文明観が試されている最良の教材かも知れません。ここに立つと、クスノキの香りがしっかりと感じられ、まさに森林浴の恩恵さえ存在する得難いエリアです。何としても保全すべきです。「植栽専門部会」の委員さんたちの良識、特に「非専門家・一般人・市民委員」の良識(常識)がまず試されます。良い成果を上げていただきたいものです。12月の「第1回植栽専門部会」はかなりの方が傍聴拒否になるでしょう。それらの方たちに迅速で正確な情報提供をするためにこそ、「音声記録」をさせていただきます。(委員長次第なのかな)

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コメント

これまでに伐採された樹木は倒壊などの危険性があるものだったはずです。ただ、伐採の副産物として「明るく」なったんでしょう。

この地下にはどんな重要な遺構があるのでしょう。
>>発掘していないのわかりませんが、八幡山の発掘と同じく、建物の柱の跡とかがあり江戸時代の絵図は正しかったことがわかるとおもいます。
びっくり仰天するようなものは期待しないほうが賢明でしょう。ただし、だからと言って木の根にまかせて破壊されてもいいことにはなりませんけど。


城址の樹木のほぼすべて(保護樹木5本以外)300本どころか2,000本のすべてが「排除」の対象になりかねません。
>>
本気でお城として整備するならば、最終的には2000本が全部処分されてもおかしくはないでしょう。これだけの樹木を切り殺すんだから、いい加減な整備をするようなことは許されません。

名古屋城など御殿の復元をめざすところもでてきているわけであり、昨日の副委員長の話で、「あらたに整備計画を作り直す時期にきている」というなら、よりグレードアップする意味で
御殿の復元も考えられるでしょう。もっとも、実現は100年単位の話になるかもしれません。
まあ、
原寸大模型といわれればそれまででしょうが、


(ここで駐車利用されている車たちは、行き先が決まっているのでしょうか。私などが心配することではないのかな)

>>行き先はまったく決まってしません。
利用者が少ないとされる郵便局隣にでもいってもらうしかありません。シャトルバスもあります。


70本伐採が22本伐採になり、「当面は」伐採しないなどと説明変質の甚だしい事例にもなっている樹木たちです。
>>反対運動が実ったようにも感じますけど、ここにきて、お城一本やりの方針から、緑地として整備する方向に転向したのでしょうか?
おそらく、一時的に反対運動をやり過ごして、先送りするのかなと思えます。
倒木の危険性や史跡の景観の回復はどこにいってしまったんでしょうか。
いい加減というか、これでは伐採の必要性は本当にあるのかわかりませんね。もしや、いざ、実施段階になると100本伐採になりかねないかも?こういうところに不審を覚えるのです。

今度こそ、「音声記録」のご許可をいただきたいものです。(委員長次第なのかな)
>>このO氏はホールの時には録音を認めれろといっていたのに、ここにきてトーンダウンするとはどういうつもりでしょうか?理解に苦しみます。隠し撮りしか方法がありません。

投稿: 小田原不良市民 | 2010年11月27日 (土) 14時16分

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