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2011年3月 8日 (火)

小田原市自治基本条例は反市民条例

 この条例議案は、去る3月4日(金)の予算特別委員会の審議にかけられました。当方、先月末から不調で、傍聴の機会を逃しましたが、ただお一人の方が傍聴の労をとられ、その審議の模様と議決に対するご意見をブログ記事にされています。下記転載を快く了解していただきました。少し長文ですが、読了願います。
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「自治基本条例の市議会予算委員会での審議」(何でも小田原/2011年3月 7日 記事)
 自治基本条例が市議会予算特別委員会で集中審議され、傍聴した。自治基本条例検討委員として、初期から関わってきた一市民として、最後まで見届けたいとの気持ちからである。
 傍聴者は、自分ひとりだった。予算委員の市議の皆さんの論調も、概して厳しいものだった。「必要性は認めるが、様々な点で問題がある」との意見が多かった。市議の皆さんの意見は多様に渡るが、主要なものをメモした。
1 オープンスクェアなどの参加者など、一部に限られ広範な市民による意見集約ができていないのではないか。パブコメなども期間が短い。
2 自治会についての記述は、様々な点で問題がある。
3 行政の下働きとしての市民活動と捉えられかねない内容である。
4 基本条例として、他の条例との関係について。
5 市民に課題を課すよりも、行政に対する責務をはっきりさせるべき。
6 具体性に欠けて、何を目的とするかはっきりしない。
その他、様々な細部の解釈など疑義が出された。
 それぞれ一委員としても、同感できるものも多かった。
 短い条例の形になって、その下に含まれる意味が伝わっていない。初期から成立過程に関わってきた立場としては、、きわめて残念だ。確かに、条例はその文面だけが独立して解釈される。それだけ誤解されやすい条文になってしまったと言う事だ。
 第一回のオープンスクェアには多数の市民に参加していただいた。回を重ねる毎に、人数は減っていき、委員としては寂しい成り行きだった。それでも、カードに書いて頂いた膨大な意見の中には貴重なものが多かった。それを集約していく段階で、多くのものが消えてしまった。ひとつの意見も無駄にしない集計方法なども提案したが、自分の力不足で意見集約の技法を確立できなかった。
 集約され、概括され、抽象化した意見は、「骨子案」という形でまとめられたが、市民意見から浮かび上がった結晶物ではなかった。最終段階で一般事例などをもとにした枠組みの中に当てはめるという手法になってしまったために、ここでも市民意見の多くは消えていった。
 骨子案から「素案」となる過程は、行政の仕事だった。一度だけ、委員会で素案に対する意見を述べる機会があつたが、それが委員会の最終回であり、時間不足のまま、あっけなく委員会は終結した。骨子案と条例素案は、公表されているので、良く較べてみて欲しい。何が消えたか、何が付け加わったか。市民力と言う言葉は委員会の出した骨子案では最後まで出なかった。
 その後、短いパブリックコメント期間があったが、委員として、その意見はみせてもらっはいない。最終の委員会以後、委員どうしや、行政と連絡する事もほとんどなく、最終回より検討委員の手を離れて別の世界で動いていったとの感覚だ。
 その後、さらに、市民意見の聴取などの手続きがされて、さらに条文が書き換えられた。特に5条の
「市民は、自治の担い手とし自ら解決すべき課題については自ら解決するものとする。」が削除された事は、ほとんど条例の意義を失う削除に近い。もちろん記述が悪く、「行政にたよらず、自分でやれ・・」みたいな捉えられかねない条文ではあった。そんな意味で意見により削除されたのだろう。
 これは本来「自ら解決できる事は、自ら解決して余計な干渉は受けない権利」を市民が持つとの意味で記載されるべきものだ。いわゆる「補完性原理」であるが、趣旨を理解してもらえる条文案にはなっていなかった。自治の基本精神であるが、これが最終段階で削除されては、ほとんど意味のない条例になってしまったのではないか。
 その他、最終までに消えていった事項は多数ある。市民の意見により、市民の立場で作っていくとの趣旨が説明されたが、最終的にみれば、それは叶わなかったと言って良いと思う。
 27回の検討委員会とオープンスクェア、意見交換会、さらに集約作業など多くの回数の会議をしてきた。自分は欠席は一度だけで、多分出席率は一番良いと思う。細かくその成立過程を見てきた一公募市民としての独断的感想であるが、この条例は決して市民意見によって作られたものではない。他の条例文を参照しないで作っていくとの方針がかえって、他市の事例の表面的な焼き直しになってさせてしまったようだ。
 繰り返すが、あくまでも一委員としの独断的意見だが、この最終条文は自分達の議論していた内容とは随分と離れたもので市民意見によって作られたものとは言えない。
 委員としては、このような事を言うのは好ましくないのだろうが、この条例案は、市議会で否決される事を望む。このままでは、市民憲章となんら変わらない、実行性のない、単なる飾りの条例になる。それによって市民の力を鼓舞するものでもない。
 否決されて、「継続審議」となり、「検討委員会差し戻し」にでもなれば良い。そうしたら再度、はじめからやり直したいとおもう。
 さらにより多くの市民に参加してもらい、新しい市民自治の理念や、現在進められている様々な現場での取り組みを基礎付ける条例をつくっていけるのではないか。市議のみなさんも、必要性は感じるが、様々な問題があり、つくるなら、もつとしっかりしたものを・・との意見だったように感じる。
 否決されて、それをきっかけに、多くの市民に再度、議論してもらったら良いのではないか。
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 これは、ご一読お分かりのように「小田原市自治基本条例検討委員会」の主要なメンバーによる記事です。1年以上の間、毎週のように開催された委員会に誠実に対応されて来たのです。その努力には頭が下がります。その委員が、ご苦労された「成果」である条例案の否決を望まれるというのは、誠に辛い思いであろうと思います。傍聴された予算特別委員会での論議を、6項に記録されていますが、議員も市民も、あるいは市長も職員も同じような懸念を持っていられるのではないでしょうか。
 昨年10月1日から15日の短い期間に行なわれた「意見募集」には21人の「意見提出者」があったとのことですが、意見提出が公表されたのは、先月の16日です。都合良く解釈して、条文ごとに区分再編した「意見に対する市の考え方」が付されたものが公開されただけで、意見そのものは遂に公開されていません。情報公開の公正ということ一つ見ても、行政改革推進課の改革が一番遅れているのでしょうか。(念のため私の意見提出を付します)
 この条例は、見直し規定さえなく、パブリックインボルムメントを欠如した、欠陥条例です。この条例は一体何なんでしょうか。基本条例という名称は、小田原市自治の基本を示すもののように見えますが、何でもないのですか。この欠陥条例の制定は、この町の未来にとって拭いがたい禍根を残すことになります。
 小田原市議会議員諸兄姉の勇気ある決断による「議案否決」か、提出者のご賢察による「議案取り下げ」を強く求めます。
(この条例に関する過去記事のリンクは以下の通りです)
100827小田原市自治基本条例(1)松下啓一委員長
101002小田原市自治基本条例(2)驚愕の素案
101011小田原市自治基本条例(3)素案勉強会
101014小田原市自治基本条例(4)縮小再生産?
101102小田原市自治基本条例(5)SF Giants
101228自治基本条例制定に向けての準備?
110215議案第31号小田原市自治基本条例

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