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2011年4月15日 (金)

小田原TRYプラン(3)施策21−2

110415hall_plan 「素案」施策18「文化・芸術の振興」に対しては、『文化芸術拠点の整備について「市民ホールを整備する」となっているが、文化芸術振興施策を策定して後、文化芸術拠点としての市民ホール計画を推進することを詳細施策に明記すべきである』という市民意見を出しました。1年近く前のことです。
 本年度は組織変更があり、教育委員会生涯学習部の4課と市長部局市民部の文化交流課が合同して「文化部」が誕生しました。総合的な文化行政を推進しようと言う姿勢が伺えて、嬉しいものです。TRYプラン施策21には『小田原の芸術文化創造の拠点を整備します。そして市民主体による芸術文化活動の裾野を広げるとともに、多様な文化交流を進めます』という基本方針が示されています。
 確かに新たな市民ホール(かつて城下町ホールと言うネーミングで市民の顰蹙を買いました)は、多々ある公共施設の中でも、市民ニーズの高いものです。施策21詳細施策2で『市民ホールを整備します』とするのは相当なことでしょう。しかしこの施策の現況の姿では、「持続的に発展し続けることができる地域の創出」に資するものとは思えません。市民ホールは確かに「芸術文化創造の拠点」として文化的施設ではありますが、本来的に商業施設なのです。大勢の来場客による公演前後の消費行動は、商業地で受け止めるべきものです。パリの二つのオペラ座、ニューヨークの劇場群などを見るまでもなく、これらはいずれも繁華な商業地の中心に立地しています。
 1990年3月から始まった「小田原市民会館整備検討」の報告書が、一つの立地候補とした「三の丸地区(大久保隅屋敷全域を含めた2万㎡ほどを想定)」は、その後の小田原城跡整備で、たいへん静謐な環境をつくりだしています。小田原市の歴史的風致、景観形成の上で、この三の丸地区の重要性は極めて高くなりました。2003年の「建設市民委員会」の報告では、立地に言及していません。2005年の「佐藤総合計画」が受託した調査業務で、市道2197が中央を貫通している異形の用地を計画地として示され、市道付け替え、わずか5,900㎡という変形敷地での「城下町ホール」の計画シミュレーションを3月に報告し、慌ただしく、6月に「(仮称)城下町ホール基本構想」を発表し、9月には設計者選定委員会(藤森照信委員長)が「エスキースコンペ」の募集開始、12月には「山本理顕設計工場」の「案」選定。この選定案に対して市民から異論噴出。監査請求、住民訴訟などを無視して小田原市は実施設計まで策定。
 2008年4月12日、加藤憲一氏が市長選のマニフェストを発表し、「城下町ホール建設計画は、利用価値が高く市民に愛されるものへ転換します」「(ホールは)お城通り再開発計画の予定地区に用地を変更することを提案します」「現在の計画予定地は、小田原城の正面玄関であること------歴史博物館/美術館/図書館------が望まれます」として、二つの懸案事業の解決策を示しました。市長選挙の結果、5月24日 新市長就任、事業転換を所信表明しましたが、議会と庁内のリアクションの強さから、8月29日には転換を諦めて旧用地の拡張敷地を計画用地とする方向に転換しました。(ホール整備事業施策の経緯を添付します)
110417hall_site それから既に3年が経過しましたが、「検討委員会」や「建設準備委員会」などのご苦労を経て、現在も用地拡張に努められているようですが、公表された買収地は250㎡ほどだけですので、現住用地の買収にはかなり難航されているのでしょう。計画用地の南西の一角には、住宅新築工事らしきもの(この画像)がありました。この奇妙な形の用地整備、本当に可能なんでしょうか。
 冒頭の画像(A案)で分かるように、現施策の用地整備が成功しても、いかにも無理な施設配置しかできないのです。三の丸地区は、小田原城跡をかかえる、この都市の最も大切な界隈なのです。時間をかけて風致を尊重した丁寧な整備を進めるべきだと信じます。拙速で、安易な計画で「大型建造物」をつくることだけは避けるべきです。「市民の力で未来を開く希望のまち」を喪失してはなりません。勇気ある施策を求めます。

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