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2011年4月23日 (土)

二つの新聞記事

「朝日新聞」と「沖縄タイムス」の記事を転載します。
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日独友好決議、自民が多数欠席 歴史認識、党内に溝
(朝日新聞2011年4月22日22時52分)
110423embassy 日独交流150周年にあたって友好関係を深めるため、22日の衆院本会議に民主党や自民党が提出した「日独友好決議」の採決で、自民党議員116人のうち安倍晋三、麻生太郎両元首相ら約30人が直前に退席し、10人近くが座ったままで反対するという異例の事態となった。
 問題になったのは「(日独)両国は、第1次世界大戦で敵対したものの、先の大戦においては、1940年に日独伊三国同盟を結び、同盟国となった。その後、各国と戦争状態に入り、多大な迷惑をかけるに至り、両国も多くの犠牲を払った」という部分。
 本会議直前の自民党代議士会で(1)事前に党の部会などで議論がなかった(2)事実の誤認がある、と執行部批判が噴出。下村博文氏は「ドイツは1939年のポーランド侵攻から(戦争が)始まっている」と採決での全員退席を求めた。
 石破茂政調会長が「党の手続きにのっとって私が賛成ということにした」と説明したが収まらず、石原伸晃幹事長は党議拘束を外すことを決定。この影響で本会議の開会が遅れ、菅首相を含む他党の議員は約15分間、本会議場で待機した。
 採決で反対した菅原一秀氏は「当時の状況があったとはいえ、『迷惑をかけた』では英霊が浮かばれない」。高市早苗氏も「交戦権や開戦権はすべての国家に認められた基本的な権利。自虐的国家観、歴史観だ」と反対理由を語った。
 採決で多数の退席者が出たことは、第2次世界大戦をめぐる自民党内の「歴史認識」に深い溝があることを印象づけた。
 決議は民主、公明両党や自民党の一部などの賛成多数で可決。共産、社民両党は「『侵略行為』という文言が削除された」などとして反対した。(画像は旧在ドイツ日本大使館)
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[「集団自決」訴訟]消耗戦を終わらせよう
(沖縄タイムス 2011年4月23日 09時19分)
110423okinawa 戦争中の座間味・渡嘉敷両島での「集団自決(強制集団死)」は旧日本軍の命令によるものかどうかをめぐる6年越しの裁判が終わった。最高裁は21日付で原告の訴えを棄却、軍が関与したことを認めた一、二審判決が確定した。
 裁判は、沖縄戦で旧日本軍が「集団自決」を命じたとするノーベル賞作家・大江健三郎さんの「沖縄ノート」などの記述をめぐり、慶良間諸島の当時の守備隊長らが名誉を傷つけられたとして、大江さんと出版社の岩波書店に出版差し止めなどを求めていた。
 一、二審判決とも原告の訴えを棄却。大阪高裁は「集団自決に軍が深く関わったことは否定できず、総体としての軍の強制や命令と評価する見解もある」と判断した。
 この問題は教科書検定にも影響し、文部科学省は2006年検定で日本軍の関与を明記しないよう教科書出版社に書き換えさせた。係争中であることを理由とした。
 軍の関与が削られると、「軍官民共生共死」という思想を住民にすり込み、投降を許さない軍国主義の狂気が覆い隠されてしまう。
 1982年に文部省(当時)が日本軍による「住民虐殺」の記述を削除させ、問題化したことがある。県内で抗議が広がり、その記述を復活させた。「集団自決」については家永教科書訴訟で最高裁が「日本軍の誘導があった」と認定、以来「軍の命令」の記述は教科書に定着したはずだった。
 あらためて軍関与を認定した今回の裁判を受けて、国はこの消耗戦を終わらせるよう手だてを講じるべきだ。
 大江さんらへの訴訟が起きた2005年、当時の安倍政権には旧日本軍の慰安婦問題についても軍の関わりを薄めようとする動きがあった。「集団自決」をめぐる教科書検定問題と軌を一にしていたとも指摘されている。
 つらい歴史から軍関与を消して何を得ようとしているのだろうか。
 歴史教育は政治やその時々の空気に影響されやすい。今回の訴訟のような論争が起きる度に、この国が過去の過ちにしっかり向き合っているかどうかが問われる。
 戦争で沖縄は本土防衛の「捨て石」にされ、その結果として出現した巨大な米軍基地を押し付ける構造的な問題がある。大江さんが「沖縄ノート」で日本全体に問うたのはその異常さだった。
 歴史教科書から「軍の関与」が消されたときの沖縄の苦悩は本土でどれほど共有されただろうか。
 こうした歴史認識をめぐる論争が表出する度に言いようのない胸騒ぎを覚える。おそらくこれからも沖縄戦の軍の加害性をめぐる論争は続くだろう。
 今回の最高裁判決を、教科書検定のあり方をあらためて問い直すきっかけにしたい。その時々の政治や行政の恣意(しい)的な判断で歴史が変えられるようでは、私たちは前へ進めない。
 裁判は終わった。大江さんが「沖縄ノート」で指摘したこの国のいびつな構造的問題にも目を向けたい。

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コメント

いつも拝読させていただいております。
一言申し上げます。
大東亜戦争について、日本は犠牲者です。松本様には釈迦に説法ですが、当時、欧米列強がアジア、アフリカを植民地支配し、略奪と搾取を繰り返してきました。列強の一つロシアもモスクワ周辺からとうとう太平洋に至るまで侵略を進めてきました。日本が欧米列強の植民地支配を逃れ独立を維持していくためには、朝鮮半島の自立が生命線だった。朝鮮半島を守るためには、満州を渡してはならない。そのような状況の中で、自分勝手なアメリカが中国大陸の利権を求めて、モンロー主義と矛盾する門戸開放政策を求めてきました。そして、海軍力を増強しつつ日本の権益放棄を要求して、ABCD包囲陣により日本の経済封鎖を仕掛けてきました。
もちろん一部に軍部の暴走もあったでしょうが、大東亜戦争は基本的には日本の自存自衛のための戦いです。その原因は、世界を支配しようとした欧米列強であり、最悪の国際法違反はアメリカの広島・長崎への原爆投下です。ウラン濃縮型、プルトニウム型の二つの原爆の人体実験として、20万人の無辜の市民を殺戮しました。
沖縄集団自決についても、「南西諸島警備要領」で非戦闘員は玉砕させずに安全地帯に退避させるというのが国の方針でした。「軍官民共生共死」については軍に協力をすることを求めたもので、非戦闘員の自決を求めるものではありません。証言でも民間人が自決のための手りゅう弾を軍に求めたら断られ、逆に「君たちには生きる権利がある。我々は軍人だから最後まで責任をとる。」と言われたとあります。そうでない証言をする遺族などは皆、恩給を得ています。軍の自決の命令があったということならば支給されるのです。だから、命令など下さなかったと知っている人も、軍の関係者も、貧しい沖縄の人が恩給をもらえるように沈黙を守ったのです。
それでも日本のために戦った父親などを悪しざまに言う左翼評論家に我慢できずに訴訟となりました。原告敗訴となりましたが、勝訴となったら、支払った恩給はどうなったでしょうか?そこに判決が影響されたとも言われます。
日本の歴史を悪く言う日本人は、良識があり自省的な良い人だ、と思われると、そういう態度をする日本人が多いように思えます。しかし、それは、他の日本人を悪く言って、自分だけいい子になろうとする嫌らしい態度です。(松本様のことではありません)
史実に基づいて議論できればうれしく思います。この件でも軍の命令の事実示す文書がでてきたら、考えを改め、すぐにでも謝罪したいと思います。

投稿: 謝罪した人は良い人? | 2011年4月24日 (日) 10時16分

歴史は、「歴史を悪く言う」「良く言う」ということではありません。冷静な考察を望みます。

投稿: 松本茂 | 2011年4月24日 (日) 20時25分

大事なことなので投稿させて頂きました。

裁判所が述べたことを正確に理解することが大切です。
大阪高裁は「集団自決に軍が深く関わったことは否定できず、総体としての軍の強制や命令と評価する見解もある」ということですが、これは、「軍の関与を否定できない」のであり、「明確に肯定することもできない」のです。だから「軍の強制や命令と評価する見解もある」と補足しているわけです。

この大阪高裁の判決は、「軍が関与したことが明らかである」ということではないのです。「軍の命令や強制」が、真実であることを認めてはいないのです。この点が、この判決では、非常に大切なのです。

投稿: カケロマ | 2011年5月14日 (土) 02時09分

カケロマさん あなたが何を将来展望に置かれているのか理解できませんが、「集団自決」という異常な歴史事実を、その関係者が司法判断に求めても、その判決は関係者だけの問題で、歴史事実は史料が証明するものと思います。日本国の「国際社会において、名誉ある地を占めたい」と言う願望が成就することを願っています。

投稿: 松本 茂 | 2011年5月14日 (土) 09時06分

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