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2011年7月26日 (火)

原発で国体護持?

Atomic_industry この原発マップは、日本原子力産業協会 JAIF(JAPAN ATOMIC INDASTRIAL FOLUM INC.)の公式サイトにある「日本の原子力発電の立地点」に示された地図です(最終更新2011.3.2.)。説明文にはこう記されています。『現在日本には、北は北海道から南は鹿児島県まで、13道県に17か所の原子力発電所があり、54基・4884.7万kWの発電用原子炉が運転、日本の電力の約3割を賄っています』ご承知のように、現在は、事故停止、定期点検、再稼働待機などで、大幅に発電量は低下し、私たちは「節電」の大号令の中に置かれています。
 3月の日本国の「想定外」の原発事故以来、さまざまな状況悪化が進み、私たち日本国での暮らしは様変わりしました。情報の隠蔽、被災後収束不能、止めどない放射能汚染の拡大など、それに政治的退廃と産業権力の横暴など目を覆うばかりの状況を見せつけられてきています。
 どう考えても、この事件は商業報道が伝えていることはすべて嘘なのかもしれない、信じがたいことが次々現れてきても、JAIFはもちろん電事連も経団連も、民・自の二大政党もなんら深刻にはなっていない。私たち「下流」のものたちだけがあたふたしている。どうもおかしい。そんな気持ちで日々を送ってきました。私たちは、知らぬ間に厳しい「軛(くびき)」を掛けられていたのではないでしょうか。
 原発問題は、放射能汚染、原発安全性、再稼働、廃炉等々さまざまに現象的な事実が問われてきましたが、この問題の根本にある政治的な事実に目を向けるべきではないでしょうか。「原発」は降ってわいた自然現象ではないのです。日本国が選択した立国の大政策なのです。
 私たちの日本国は66年前の8月、この地球上で核爆発による生命破壊の軍事攻撃をされた唯一の国です。新型爆弾の被爆と核分裂による放射能被曝の惨憺たる生命破壊を受けたのです。米国という国家の意思によって。そして、1954年のビキニ環礁での水爆実験、第五福竜丸の被曝。全国に「原水爆禁止」の声が高まってきていました。そのような世情の中、1956年3月1日にJAIF(設立時名称「--産業会議」)は発足しています。原子力の平和利用という、「諸刃の剣」とされていたエネルギー政策を進めようということでした。当時の「西側世界」では、原子力技術は核爆弾を含めて米国独占の中にありました。日本国の平和利用とはいえ、再処理によるプルトニュームの取得は、直ちに原爆保持につながるとして、原爆独占を強化したい米国としては「同盟国」日本への原子力技術移転には確定的軛を掛けたのでしょう。
 米国との原子力協定については、1955年から「研究協定」のようにしてスタートしていますが、勝者と敗者の関係ですから当然に、その後の協定の経緯は「核武装」の排除が前提で、濃縮ウランの提供や原子炉の技術提供などで、大きな縛りがかかって、まさに勝者の傘の基に進められています。
 1952年には最初の安保条約締結で、日本国の国際的地位が定まってしまいました(吉田茂首相がいみじくも『つまりアメリカの植民地になるということですな』と言われたように)。この状況での原子力平和利用としての、研究開発から始まったのですが、原子力を新エネルギーとして日本産業システムの核に据えるということは、この大国志向の国にとって、米国という超大国に首根っこを押さえられてしまう、そんな危惧は当然に「同盟国外交」の中心課題です。現在も。歴代の日本国内閣は、「協定」の破棄、つまりウラン提供などの停止あるいは意図的操作に制限を掛けることに力点を置いて、米国政権と交渉を進め、1988年に「日米原子力協定」で包括的な合意を得ました。有効期限30年です。
 2018年をしやにいれての協定交渉は始まっているのでしょうが、「311」の破綻は、米国政権に衝撃を与えたようです。日本国の混乱は、核技術の拡散につながり、米国の国益を損なうと憂慮させることになります。
 事故収拾の推移を見ていても、そのぎくしゃくした動き、ふらつきには米国の国益、国家安全保障が大きく作用しているのではないでしょうか。88年協定の実務者遠藤哲也氏(当時外務省科学技術審議官)の報告書には、こう書かれています。『----一方的に停止されるような事態はさけたいとの観点から、この一方的停止権の発動に大していくつかの歯止めを盛り込み、停止権が恣意的に行使されることがないような仕組みを作ることに努めた。----停止されるような場合は、例外的に最も極端な状況下に限られ(----日本が日米安保条約を破棄した場合----などをあげていた)必要最小限の範囲と期間に限定されることなど種々の歯止めが盛り込まれた』と交渉成果をあげられています。
 このことで明らかなように、原子力発電は日本国の「安保」「日米同盟」という、吉田内閣の国体護持の選択は「米国覇権」の絶大な保障措置となっているのです。日常的な対日要求などと違い、脱原発はきわめて大きな日米政治課題であり、日米同盟はもとより、国際的パワーバランスを揺るがす事案なのです。
 私たちは日々の政治報道から、僅かずつでもこの国の行く末を読み取るしかありません。
(このところ、時間に追われ、4日にわたる記事になってしまいました。7/29)

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