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2011年9月26日 (月)

小田原ヒルトンと小田原市の「合意」

 小田原ヒルトンに対する家賃請求権の放棄についての3回目の記事です。公文書公開請求していました「合意書」が今日夕刻「一部公開」されましたので、再度その不当性を記事にします。
110926hilton1 3月11日の夕刻東日本大震災とそれに伴う津波と原発事故による大規模な被災が発生しました。その25日後の4月6日、小田原ヒルトン株式会社は、小田原市長宛に「賃料減免のお願い」を提出しました(この画像の文書は、小田原市議会総務常任委員会による9月9日の資料請求によって公開されたものです)。この被災影響は『---ヒルトン小田原リゾート&スパの運営において---想定を遥かに超える規模であらゆる経営指標を毀損し、まさに危機的な経営状況に陥っております。---つきましては、かかる事情をご斟酌いただき、---賃借料の6ヶ月間以上の減免につき特段の配慮を賜りたく---』というものです。
110926hilton2 この画像の文書は、お願いを受理した22日後の4月28日に、小田原市と小田原ヒルトンが交わした「合意書」です。
1.3ヶ月間の賃料の支払いは年末まで猶予する。
2.遅延損害金は免除する。
3.猶予した賃料の減額及び免除は協議する。
という簡単な「合意」です。遅延損害金の免除という重大な措置を、簡単に合意してしまう専権処分は納得できません。契約書第6条の規定には、何らの但し書きもありません。公共団体である賃貸人が勝手に免除などと合意することはきわめて不当な信じがたい措置です。
 不動産賃貸借契約は、平成15年12月25日に、甲 小田原市長(小澤良明氏)、乙 小田原ヒルトン社長(氏名黒塗り)、丙 ヒルトンインターナショナル社日本・ミクロネシア地区副社長(氏名黒塗り)の3者で締結されています(これも9月9日の資料請求で公開されたものです)。以下に主要事項のみ列記します。
・賃貸借物件 土地(13筆 総面積)231,645㎡ 建物(17棟 総床面積)51,709.44㎡
・賃貸借期間 2004年2月1日から2009年1月31日まで 更新5年、以後同様
・賃料・支払 売上額の12.5% 最低賃料年額4億3千万円 月額分を毎月末までに支払い
・遅延損害金 『第6条 乙は賃料の支払いを遅延した時は、支払い期日の翌日から完済の日まで、年14.6%の割合による遅延損害金を甲に支払うものとする。』
・契約の解除 乙による3ヶ月以上の賃料不払い 甲による契約違反 乙は丙と連帯して年間賃料の5倍相当額の約定損害賠償義務 甲も同様義務
・売却時特約 甲は、乙に対して第1交渉権を与える
・協議事項  『本契約書に定めの無い事項、本契約に関する疑義または契約時点では予測のつかない事態が発生した場合には、法令及び一般の慣習に従い、甲、乙及び丙は、誠意を持って協議の上、解決をはかるものとする。』
 この4月6日に発生した不動産賃借人の賃料不払いの事案処理について、小田原市は6月10日の総務常任委員会において『本契約書で契約時点では予測のつかない事態が発生した場合には、甲乙丙は、誠意を持って協議の上、解決を図るということになっておりますので、基本的には賃貸借契約書はこちらの第20条を用いまして、お互い協議をしていくという形になろうかと思います。』と報告をし、小田原市議会9月定例会に「権利の放棄について」という議案を上程し、9月14日の本会議で、可決承認したのです。第20条にいう「予測のつかない事態」に賃借人の事業状況の悪化が該当するとはとても思えません。事業用不動産の賃貸借では、景況の変動は当然に予測されている事項です。災害発生によって事業環境が悪化したことが該当するとは考えられません。きわめて不可解で不当な行政の措置です。
 担税者である小田原市民に対して、納得のいく説明を早急にするべきです。それとも、予測のつかない景況の悪化として、法人事業税、住民税を減免するのでしょうか。

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