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2012年1月18日 (水)

地震大国日本の住宅政策

120118hayakawa 昨日1月17日で阪神大震災17周年です。未だに被災者の住居整備は停滞したままのようです。中越、新潟、東日本それに関東地区の液状化被災などなど、住まいを失って途方に暮れている方、原発事故で住居を捨てさせられた方、暮らしの基盤を失った方たちへの公共対応は、この国の人権意識の未成熟を露呈しています。
 「住まいは人権」です。日本国は、敗戦後の国家復興政策は「産業育成」でしたが、西ドイツのアデナウアー首相が最大の戦後課題としたのが「公営住宅」による住居復興でした。日本国でも、住宅公団などの施策も出現しましたが、「団地族」などという差別語的風潮の中、一般勤労者も「持ち家政策」に追い込まれてしまいました。ローン地獄、自殺大国などという惨状の中、公共住宅政策は姿を消していきました。
 住まいは自己所有するものという風土が蔓延し、金融事業は拡大し「住専」犯罪を国民負担で整理させる不始末も発生。東日本大震災の復興政策にも「公営住宅」は姿を現しません。公共が対応するのは期限付き「応急避難住宅」です。自己責任で住まいを確保できない避難民はどうすれば良いのでしょう。30年ローンで新築した住まいを失った債務者はどうすれば良いのでしょう。高台移転を迫られている低地住宅所有者も、再度の負債を抱えるのでしょうか。
 この地震国、災害国日本は、先進工業国、経済大国です。なぜ、住まいだけは貧困国から脱出させないのでしょう。住まいは、暮らし、人生の基盤です。住まいを保障しない「福祉政策」などあり得ません。住宅は公共が整備、保全すべき社会的な資産です。
 地方政府も、住民福祉の根底に「住まいの整備」があることを認識し、人権を保障する住宅施策を進めるべきです。我が小田原市には、「地域住宅計画」の制定準備はあるのでしょうか。昨年来、地方自治体の住宅政策について、都道府県、政令市、主要市など167団体にアンケート調査を実施しましたが、我が小田原市は無回答です。回答期限前に、所管課(なんと未だに建築課)に回答のお願いに伺いましたが、「アンケート調査は、国、県以外には一切回答しないことにしている」と、にべもないお答えでした。(このアンケートの回答率は70%を超えています)住宅問題は、国、県の施策、『税務署に行って泥棒を捕まえてくれ』というようものなどといっていても、最後の始末は基礎自治体に負担させられます。総合計画第1次実施計画では『住宅政策推進事業/社会情勢の変化に対応するよう住宅マスタープランを見直し、住宅政策を推 進するほか、住宅情報提供の体制を整備します。また、分譲マンションの実態把握に努め、マンションに係る相談などに対応します』となっていますが、総合的な住宅政策、マンション政策などに取り組むことが、最大の危機対応になるのではないでしょうか。
 住まいは「個人の甲斐性」という思想は、この国の人びとの人生を狂わせてしまいます。住まいは公共が保証すべきです。復興事業計画の緊急課題は、住居復興です。
(画像は、早川和男氏の労作です。以前の記事もご一見ください)

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