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2012年1月27日 (金)

事故由来放射性物質に汚染された廃棄物

環境省廃棄物対策課長及び産業廃棄物課長から都道府県・政令市への通達です。やや長い通達文ですが、ご一読ください。
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平成 24 年1月 20 日
各都道府県・政令市廃棄物行政主管部(局)長 殿
環境省大臣官房廃棄物・リサイクル対策部廃棄物対策課長/産業廃棄物課長

事故由来放射性物質に汚染された廃棄物の処理に係る留意事項について
廃棄物行政の推進については、かねてから御尽力いただいているところである。
 さて、今般、平成二十三年三月十一日に発生した東北地方太平洋沖地震に伴う原子力発電所の事故により放出された放射性物質による環境の汚染への対処に関する特別措置法(平成 23 年法律第 110 号。以下「放射性物質汚染対処特措法」という。)に基づく関係政省令及び関係告示が公布され、平成 24 年1月1日の放射性物質汚染対処特措法の完全施行と併せて施行され、事故由来放射性物質(放射性物質汚染対処特 措法第1条に規定する事故由来放射性物質をいう。以下同じ。)により汚染された廃棄物を安全に処理するための基準等が整備された。
 その内容については、「平成二十三年三月十一日に発生した東北地方太平洋沖地震に伴う原子力発電所の事故により放出された放射性物質による環境の汚染への対処に関する特別措置法の施行について」(平成 23 年 12 月 28 日付け環廃企発第 111228002 号及び環水大総発第 111228002号環境省大臣官房廃棄物・リサイクル対策部長及び水・大気環境局長通知)において通知されたところであるが、なお下記の事項に留意の上、放射性物質汚染対処特措法の適切な運用と事故由来放射性物質に汚染された廃棄物の円滑な処理が図られるようお願いするとともに、貴管内市町村等に対する周知徹底をお願いする。
 なお、本通知は地方自治法(昭和 22年法律第 67 号)第 245 条の4第1項に基づく技術的な助言であることを申し添える。

1 基本的な考え方
 放射性物質汚染対処特措法に基づく事故由来放射性物質に汚染された廃棄物の処理の実施に当たっては、住民の安全確保が図られるよう、「東京電力株式会社福島第一原子力発電所事故の影響を受けた廃棄物の処理処分等に関する安全確保の考え方について」(平成 23 年6月3日原子力安全委員会。以下「原子力安全委員会決定」という。)において示されためやすを満足するように、安全確保のために必要な措置(放射線の遮蔽、公共の水域や地下水の汚染の防止、施設からの排ガス・ 排水の管理等)を講ずることとしているところである。
2 放射能濃度が8,000Bq/kg以下の廃棄物
 放射能濃度(セシウム134 とセシウム137 の合計値をいう。以下同じ。)が 8,000Bq/kg以下の廃棄物については、周辺住民よりも被ばくしやすい作業者の被ばく量(内部被ばく及び外部被ばくの合計値)が、通常の処理を行った場合において原子力安全委員会決定において示されためやすである1mSv/年を下回ること、及び、埋立処分を終了した最終処分場は、適切な管理を行うことにより、原子力安全委員会決定において示されためやすである 10μSv/年以下となることが、安全評価により確認されているところであり、通常の処理方法で適切な管理を行うことにより、周辺住民及び作業者いずれの安全も確保した上での処理が十分に可能である。
 なお、放射性物質汚染対処特措法に規定する特定一般廃棄物及び特定産業廃棄物並びに特定一般廃棄物処理施設及び特定産業廃棄物処理施設において処理される廃棄物は、8,000Bq/kg 以下の放射能濃度を想定したものであり、通常の処理方法により安全な処理が可能であるが、放射能濃度の濃縮が想定される中間処理及び長期間にわたって管理が必要となる埋立処分については、より入念的に処理の安全性確保を行う観点から、廃棄物の処理及び清掃に関する法律(昭和 45 年法律第 137 号)に基づく処理基準及び維持管理基準に加えて、特別の基準を適用することとしたものである。
3 特定一般廃棄物及び特定産業廃棄物の範囲並びに特定一般廃棄物処理施設及び 特定産業廃棄物処理施設の要件
 特定一般廃棄物及び特定産業廃棄物となる廃棄物の範囲は、放射能濃度や空間線量率に関するこれまでの調査結果や報告を基に、事故由来放射性物質により一定程 度に汚染された廃棄物が排出されるおそれのある地域を特定の地域として、廃棄物 の種類ごとに、相当程度に安全側に立って設定している。
 特定一般廃棄物処理施設及び特定産業廃棄物処理施設となる施設の要件についても、これまでの調査結果や報告を基に、事故由来放射性物質により一定程度に汚染された廃棄物が処理されるおそれのある地域を特定の地域として施設の種類ごとに要件を設定したほか、特定一般廃棄物又は特定産業廃棄物の処分の用に供される一定の施設であることを要件とする等、相当程度に安全側に立って設定している。
4 原子力安全委員会、放射線審議会等による評価
 以上の考え方については、放射性物質汚染対処特措法第 56 条に基づき原子力安全委員会へ諮問し、同委員会から、原子力安全委員会決定等を踏まえたものになっていること、核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律(昭和 32 年法律第 166 号)その他関係法令との整合等が確認されているものである。また、放射線障害防止の技術的基準に関する法律(昭和 33 年法律第 162 号)第6条の規定に基づき放射線審議会へ諮問し、同審議会から妥当である旨答申されている。
 また、IAEA(国際原子力機関)のミッションにおいても、放射能濃度が 8,000Bq/kg以下の焼却灰を追加的な措置なく管理型最終処分場で埋立てをすることについて、確立した国際的な方法論と完全に整合性がとれていると評価されており、国際的に見ても適切な手法であると考えられる(「福島第一原子力発電所外の広範囲に汚染された地域の除染に関する国際ミッションの最終報告書」(平成 23 年 11 月 15日 IAEA)。
5 事故由来放射性物質に汚染された廃棄物の円滑な処理の確保
 以上を踏まえ、放射性物質汚染対処特措法の適切な運用をされるようお願いする。また、特定一般廃棄物及び特定産業廃棄物の処理基準並びに特定一般廃棄物処理施設及び特定産業廃棄物処理施設の維持管理基準はあくまでも入念的に措置されているものであることについて、改めて関係者へ周知徹底をお願いするとともに、これらの廃棄物の円滑な処理の確保に御配慮いただくようお願いする。
 特に、放射能濃度が 8,000Bq/kg以下の廃棄物について、独自に設定した一定濃度以上の廃棄物又は特定一般廃棄物若しくは特定産業廃棄物を区域内に搬入することを制限したり、廃棄物処理業者に対して取扱いの禁止を指導する例が見受けられるが、科学的及び法的根拠に基づかない制限を設けたり指導をすることは、適切ではない。また、そのような取扱いにより、最終処分先が確保できない焼却灰、上下水・工業用水汚泥及び農業副産物の保管が排出者の大きな負担になるだけでなく、これらの廃棄物の処分が滞ることにより、市町村等の一般廃棄物処理、上下水・工業用水道事業や農業生産活動にも支障が生じることで、我が国全ての地域において、一般市民の生活や産業活動にも影響が生じる可能性があるとともに、廃棄物の過剰保管による周辺環境への影響が生じるおそれがある。このような状況を十分に踏まえ、放射性物質汚染対処特措法の趣旨等に基づき適切な対処をされるようお願いする。

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