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2012年11月22日 (木)

マンションは社会的負債か?社会的資産か?

121122toshimaku_2 東京都の豊島区は、11月開催の区議会に「豊島区マンション管理推進条例」を上程するとしています。その事情をこう述べています。
 『マンションは、区民の6割以上が居住する主要な居住形態となっています。快適に住み続けるためには、建物や設備を良好に維持管理していくことが必要です。また、居住環境を快適にするだけでなく、災害時などに円滑に協力しあえる体制を作るためにも、居住者同士や地域との良好なコミュニティ形成は重要です。しかし、一つの建物を複数の方々で所有する分譲マンションは、価値観や年齢、所得の異なる所有者間での合意形成の難しさ、建物・設備の維持管理における専門性、賃貸化や利用形態の混在など、戸建住宅や1棟オーナーマンションとは異なる課題があります。マンションを良好に管理するうえで、区、管理組合、区分所有者、マンション居住者等、管理業者、宅地建物取引業者、専門家がそれぞれ取り組む事項について示すことにより、合意形成の円滑化、居住者間および地域とのコミュニティ形成・活性化を図ることで、マンションの良好な管理を推進するために、「豊島区マンション管理推進条例」を制定します』

 区内の老朽化マンションは、無管理状況となりはて汚水管の破裂などで近隣の住環境を阻害するような事態が発生し、「罰則」つきのこの条例の制定に至ったようです。マンション(区分所有共同住宅)は、都市居住としては極めて普遍的なものとなってしまいました。公営住宅を衰退させ、持ち家制度を押し進め、自治未発達の日本社会に「区分所有」という法概念の曖昧な制度を蔓延させた結果が、基礎自治体への責任転嫁となってしまったのです。
 基礎自治体、市町村(特別区も)は、住民の住生活の破綻を見過ごし、住環境の混乱を放置することはできません。小さな自治体である「マンション管理組合」の破綻に対しては、救済せざるを得なくなり、それはたいへん大きな行政負担となります。いずれ背負い込むしかない「小さな自治体」に対しては、破綻を未然に防ぐ先行した調整施策を進めることで、行政負担を軽減することができます。
 豊島区のような切羽詰まってからの、施策策定では遅すぎるのです。小田原市のようなマンション居住が5〜10%程度(あるいはもうそれを超えたか)は、まだ施策次第でマンション崩壊を防御することができます。20年前(5%時代)からマンション施策の推進を提言してきましたが、いまだマンション施策の所管課さえ定まっていない状況では、豊島区の後追いをすることになります。サスティナブルなまちを目指すとするなら、マンション施策は主要な都市経営施策となります。「マンション」は環境破壊の社会的負債にも、防災施設としての社会的資産にもなります。このまちでも早急な検討を願いたいものです。

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