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2012年12月 6日 (木)

土壇場!「ヒルトン施設売り渡し」の問題

121206kato  「おだわらを拓く力」ホームページに、加藤憲一市長が「ヒルトン小田原の問題」について語っている動画があります。
  彼の考えが良く伝わるものですが、決定的な「抜け」があります。賃貸借関係は、明らかに両者の信頼の上に立って、契約を行使していくものですが、売買契約はその物件の支配権を移転させることなのです。これまで、「信頼」できる賃貸人であったかもしれませんが、売買後にこの関係が担保される保証はありません。

 彼の「誠実さ」は彼自身のものとして、良き資質なのでしょうが、現実の都市経営者、基礎自治体の長としては、住民利益を守る懸命で公正な権力者であるべきです。『なお、みなさん方が心配をしておりますこのヒルトンさんに対するホテルの売却価格。これが日本で最もホテル施設等の不動産鑑定で権威のあるところに見立てをしていただきまして、9億円という数字がでています。問題になってきたのは、これがあの建物の固定資産税の評価額といわれる130億円とずいぶん乖離(かいり)があるではないか。9億円で売ったら小田原市は損をする。そのようにいわれています。ただこれはやはり誤解がありまして、このホテルの所有権の移転というというものは、そのホテルがいったいどのくらいの収益を生むか、という収益還元という観点で鑑定をされるのが通例となっています』  そうなのだろうか、評価は正しいのだろうか。収益還元法で評価した結果としていますが。この施設で得られた「収益」は一切公開されていません。開示請求で得られた評価書は、完全な黒塗です。想定できるのは、マネージメントフィー、つまりヒルトンインターナショナルの収益は経費勘定になっていることです。小田原ヒルトン株式会社の収益は、かなり低いのですが、マネージメントフィーは通例5%程度はあるはずです。これも明らかにこの施設からの利益です。  この鑑定評価は、現状の経営を改善しないで、従来のママの経営を前提としていますが、新たな経営手法、収益率の高い経営手法ではどうなるかと言うことが一切判断されていません。見落とされていますが、この片浦地区の立地は、カジノ施設「リゾート&カジノ」の立地としては極めて優秀な立地です。収益還元法での評価は、一桁以上違ってくるはずです。当然鑑定評価ではその判断もすべきなのですが、一切ふれられていません。ここに大きな落とし穴があります。緊急に専門家の意見聴取をすべきです。  不当に安い不動産販売は、国税課税上の問題が発生(この事案では3年後)してきますが、売り渡し先の小田原ヒルトン株式会社の株式はヒルトンインターナショナル社という外資企業が取得するのだそうです。

 加藤市長の「誠実さ」が、市民の利益、日本国民の利益に反することが無いことを切に願うものですが、現国政の流れ、今次衆院選の情勢などを冷静に判断する限り、「カジノ解禁」は目前に迫っていると考えざるを得ません。多分加藤市長も、市議会の多くのみなさんも「お城のあるカジノのまち小田原」はお望みではないはず。

 平成26年1月31日の契約満了まで、「売り渡し」考察の継続をお願いしたい。取り返しのつかないことになる前に一度立ち止まってお考え願いたい。懸命なご判断を切に切に願います。(画像は「小田原を拓く力」公式サイトから)

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コメント

松本さんは、「固定資産税の評価額130億円」なぜ「不動産鑑定評価額9億円」のギャップが「大きい」という感想から、疑問や問題があると思われたようですね。私の父の知人の建築士に聞くと「よくあることで、普通の建築士ならばよく出会う事例」とのことでした。

松本さんは、建築士なのに「不動産鑑定評価が利用されるようになった経緯」をご存知ないのでしょうか?


以下は、(財)資産評価システム研究センターのレポート:「平成23年度固定資産税関係資料集「固定資産税評価における不動産鑑定評価-標準宅地に係る鑑定評価書の見方を中心に-」より引用しました。

1980〜1990年のバブル期:
●急激な地価高騰→地価公示価格と固定資産税の宅地の評価額との間に、大都市を中心とした大きな格差が発生

●この原因:①地価公示価格と固定資産税評価が、必ずしもリンクして        おらず、各市町村の自由裁量で、引き上げ幅がバラバラ       だったことが影響していたこと。
      ②公的評価間における格差は、公平・公正な課税が実現さ       れていないと、強く批判された。
      (俗に、一物四価・五価と揶揄された)

●こうしたことから、国は、土地基本法を制定し、
 ①公的評価(地価公示・都道府県地価調査((基準地価))、相続税評価  及び固定資産税評価 )相互の均衡化・適正化を図るため、平成6年
度評価替えより、宅地評価にあたっては、地価公示価格の7割を目
標として評価することになりました。
(相続税は、地価公示価格の8割に。)
 
しかしながら、地価公示地点と固定資産税標準宅地との調査地点数には、著しい格差が存在し、このままでは、7割評価の実施は難しい状況でした。

そこで、不動産鑑定評価の活用がされることになりました。
なぜ、不動産鑑定評価が活用されたかというと、不動産鑑定評価では、面的に、都道府県レベル・市町村レベルで、評価の均衡化が図れるようになっているため、固定資産税評価の均衡化にも活かせると判断したからです。

次に、不動産鑑定評価が、固定資産税評価のどの段階で、活用されているのかですが、“標準宅地の価格を求めるとき”になります。
正確には、「標準宅地の適正な時価の評定」と言います。

投稿: マコ | 2012年12月11日 (火) 01時19分

続きです。

(1)不動産鑑定評価における「正常価格」
 標準宅地に係る鑑定評価において求める価格とは、「正常価格」です。
 不動産鑑定評価基準における「正常価格」とは、「市場性を有する不動産について、現実の社会経済情勢の下で合理的と考えられる条件を満たす市場で形成されるであろう市場価値を表示する適正な価格」です。

そして、社会経済情勢の下で合理的と考えられる条件とは、以下のとおりです。

①市場参加者が自由意思に基づいて市場に参加し、参入、退出が自由であること
②取引形態が、市場参加者が制約されたり、売り急ぎ、買い進み等を誘引したりするような特別のものでないこと
③対象不動産が相当の期間市場に公開されていること

 さて、ここで言うところの「市場参加者」とは、どんな人でしょうか?

 この「市場参加者」とは、自己の利益を最大化するため慎重かつ賢明に予測、行動する者であり、売り急ぎ、買い進み等の特別な動機がなく、取引市場に関して通常の知識・情報を持ち、取引成立に通常必要となる労力・費用をかけ、対象不動産の最有効使用を前提とした価値判断を行い、買主においては通常の資金調達能力を有する者をいいます。

 ですので、日本中をどこ探しても、こんな人はいません(笑)
 あくまで理論上に存在する人の話で、経済学でも、このような人が時々出てきます。

(2)固定資産税評価における「適正な時価」
 地方税法第341条第5項においては、固定資産税の価格とは、「適正な時価」と規定されています。
 この「適正な時価」とは、正常な条件の下における取引価格、すなわち正常売買価格をいい、現実の取引価格のうち、正常でない部分(不正常要素)を除去して得られる価格を言います。

(3)「正常価格」と「適正な時価」
 平成6年度評価替えより、宅地の評価においては、当分の間、地価公示価格の7割程度を目途として評価の均衡化・適正化をはかることとなり、宅地評価の基本となる標準宅地の評価にあたっては、地価公示価格及びこれを補完するものとして都道府県地価調査価格と不動産鑑定士等による鑑定評価価格を活用することとされています。
すなわち、地価公示価格等で求められている「正常価格」をもとに、これらの7割を目途に宅地の評価が行われています。

 このように、固定資産税評価において、地価公示価格・不動産鑑定評価を活用することによって、公的評価間相互の均衡化が図られ、納税者の方の理解も得やすいと言えます。

 また、地価公示価格の7割評価を行うことによって、残り3割部分によって固定資産税の大量一括評価によるリスク及び価格調査基準日から賦課期日までの地価下落リスク(時点修正措置でカバーできない6ヶ月間)を回避できるようになっています。

投稿: マコ | 2012年12月11日 (火) 01時20分

松本さん、「土地取引や不動産取引」の勉強をなさって下さい。

投稿: マコ | 2012年12月11日 (火) 01時23分

松本様の「ヒルトン小田原の固定資産税130億円、時価9億円」とのお話は、「固定資産税と時価の大きなギャップ」をどう考えるのか?というご指摘と思います。

これは、ヒルトン小田原に限らず、小田原の商業用建物、オフィスビルなどの取引を考えている市民にとっても、今後引き継がれる前例になるかもしれない問題だと思います。

長野県税金オンブズマンによる[建物の「時価」と「固定資産評価額」の乖離をどうみるか]に関するレポートがあります。http://www12.plala.or.jp/zeionbusman/pdf/kosizeikenkyu.pdf

その中で以下のように書かれています。

◇建物の「時価」と「固定資産評価額」の乖離をどうみるか
(1)「時価」と「固定資産評価額」の乖離が作り出される要因
(イ)「再建築価格方式」の妥当性についての疑問
「取得費」方式が分かりやすい

(2)納税者の立場から
(イ)固定資産評価額は「時価である」とされながら、現実に「今いくらで売れるのか」とい
う市場価格とはまったく釣り合っていないこと
(ロ)そのような固定資産評価額に基づく固定資産税も高すぎ、赤字企業や低所得者は納めら
れないこと
(ハ)固定資産評価額は登記費用にリンクするし、固定資産税は国保税にリンクするので尚更
納得できない
(3)市町村の立場(と推定されること)
(イ)評価、税の賦課とも、国の基準に基づいて行うしかない
(ロ)滞納があれば差押さえを含め粛々と対応するしかない

◇高すぎる固定資産税の背景
(1)固定資産評価額水準の吊り上げ
(イ)土地の固定資産評価額を公示価格の30%から70%に引き上げたこと
(ロ)建物の固定資産評価額を時価より極めて高い水準に維持していること
(2)税率の維持
固定資産評価額を吊り上げたまま税率を維持したことで固定資産税が跳ね上がった
(3)国の大衆課税強化路線の柱
(イ)国は地方交付税や補助金を削減する一方、自治体に増税させた
固定資産税 住民税
(ロ)固定資産税増税は、国の大衆課税強化路線の柱であり、考え方は自治体による「住民サ
ービス」に対する受益者負担論。現実の担税力や所得の再配分機能を無視している。

投稿: じろうたろ | 2012年12月11日 (火) 14時35分

長野県税金オンブズマンのレポートによると、現状の固定資産税のあり方に問題がありそうですね。市の行政がこの問題をどう考えているのか、誰もが知りたいですね。「本当の情報公開につながる」問題と思います。

投稿: じろうたろ | 2012年12月11日 (火) 14時39分

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