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2013年4月 3日 (水)

都市公共建築物の寿命

130403tocho_bld この画像は、丸の内にあった東京都庁旧第1本庁舎です。戦後建築設計界のスター丹下健三氏の代表的作品で、1957年度から使われ始めました。その年、当時の東京都住宅局に在職していた先輩から誘われて、このあこがれの颯爽たる新庁舎に入職しました。公営住宅事業に従事するつもりでしたが、建築局建築指導課に配属されてしまいました。戦前はこの行政、警視庁の所管で建築のお巡りさんと呼ばれていたそうです。確認審査と言う面白くもない仕事で、ぐうたら公務員の典型のようなしらけた日々を7年間送って、1960年退職しました。(この画像はWikipedia からの転載ですが、撮影が1960年となっていていたく懐かしい思いをしました)ご存知のように都庁は1991年に新宿に引っ越して、この庁舎は御用済み解体されました。わずか34年の短命な生涯でした。

130403tokyo 新宿西口、旧淀橋浄水場跡地の再開発用地に、1569億円をかけて出現した巨城、都民を威圧するかのごとき様相ですが、わずか22年後の今日、老朽化が進行して建て替えかとさえ言われていました。改修費用はほぼ建設費並みと想定されて、深刻な事態になっていたようです。この報道では762億円と言う積算数字が示されていますが、かなり無理をした大規模修繕の規模圧縮の結果なのでしょう。それにしても、建設費と合算すると2331億円!!
 この改修工事で何年延命するのでしょうか?10年後、15年後にはまたまた解体の運命なのかな。我が国の建築物の寿命の短さは、驚愕ものです。ゼネコン経済の活性化のために、浪費が続きつづけているようです。

130403odawara_hall  昨夕、わが老朽小田原市民会館大ホールで沖縄からの子供たちの歌と踊りを楽しんできました。いやあ、さすがにひどいですね。画像は1962年竣工時の姿です。まだ本館は建っていません。51年が経過していますので、新ホールの誕生を市民は期待していますが、このような都市の基幹施設をそうちょいちょい建替えるものではないと思いますが、いかがなんでしょうか。基本設計の作業をこの1年かけてなさるそうですが、きちんとした用地準備もなくて、設計図書だけ作ってどうなさるのでしょう。このホール事業計画、平成時代の初めからですから、もう25年経過していますが、建てて30年で解体するようなことでは困りますよ。 パリの旧オペラ座は1861年のコンペで、ガルニエが実施設計に入り、1875年の竣工です。開館後すでに138年経過していますが、立派に現役で「芸術文化創造(いまはバレエ中心ですが)」に活躍しています。比較するのは無理なんでしょうか。

 都市の主要施設の建設計画は、十分に熟慮して決定すべきですし、その施設の運用、維持保全に適正な財政保障をして立案すべきと思います。

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