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2013年9月23日 (月)

石原・猪瀬主導??大規模景観破壊

1308jia_maki 日本建築家協会の機関紙 JIA MAGAZINE 8月号 記載の、槇文彦氏特別寄稿です。神宮外苑の景観破壊と過大な建築規模に異議を唱えられています。

 「新国立競技場案」は昨年11月7日、このコンペの審査委員会が出した最終結果を受けて、11月15日に開催された「国立競技場将来構想有識者会議」で、Zaha Hadid Architectsの作品が最優秀賞とされました。
 コンペ審査委員会は委員長安藤忠雄、専門家審査員鈴木博之岸井隆幸内藤廣安岡正人小倉純二都倉俊一リチャード・ロジャースノーマン・フォスター、主催者委員河野一郎(独立行政法人日本スポーツ振興センターがこの事業を実施します。サッカー籤トトカルチョも所管)
130923tokyo 有識者会議メンバーは画像のとおりです。安藤忠雄と都倉俊一のお二人は専門家委員としてでしょう、この有識者会議メンバーに入っています。他は官僚OBやスポーツ団体役員などです。
 国立の施設ですから、費用はいかように膨らんでも気にしないということもあるのでしょうが、凄い跳ね上がった「巨大施設」であることは確かですね。前回の東京オリンピック、その目玉のようなものとして丹下健三氏の二つの体育館がありました。先進デザインを誇っていた丹下氏の懸垂架構にトライした最初の巨大作品だったでしょうか。50年も以前のことですが、鋼線ケーブルによる架構設計で工事着手したのですが、理屈通りに行かなかったようで、通常の鉄骨加工の技術で懸垂線をなぞって施工したようです.当初予算からかなり乖離した支出になりました。
 今度の Hadidさんの計画は、特に新規な技術的トライはないようですが、長大なアーケードを引き回す意図が、全く分かりません。周辺施設との連携を考えてなどとお聞きしていますが、そのために周辺既存施設を根こそぎ取り去ってしまうのはいかがなもんでしょうか。霞ヶ関団地の住民の声、マスメディアからは聞こえてきませんが、どうなっているのでしょう。

 槇文彦氏の特別寄稿、やや長文ですがぜひ全文読んでいただきたいと思います。「一老建築家が、このようなエッセイを書かなければならなかったその背後にある我々の建築文化の風土について、少し考えてみることができればいいことだと思っています」と書かれていますが、論点は極めて明確です。

 この小田原でも「城下町ホール」事件がありました。実施設計まで終了した事業計画を住民が「首長選挙」という政治手法で事業転換させてしまいました。山本理顕氏という有能な建築家の提案でしたが、選定委員会と所管行政側の稚拙さが、醜い結果を生み出してしまい、未だにその残影を引きずって同じ敷地で「新事業案」が進行しているようです。
 槇文彦氏はこのコンペに参加しなかった理由として、『あまり敷地も広くないところで』過大な設計要件を課されたこと、著名建築家だけに特典を与えていることの二つを上げていられます。
 コンペの審査委員会の論議は、一切伝わってきませんが、委員長安藤忠雄氏は「将来構想有識者会議」にも席を置かれますが、『アプローチを含めた周辺環境との関係については、現況に即したかたちでの修正が必要であるが---』という課題をどのように考えられているのでしょうか。
 槇氏は神宮外苑が「風致地区第1号」に定められた意味を丁寧に記述されていますが、Hadidさんにはその意味が正しく伝わっていなかった、そしてその計画案が『---日本の先進性を発信し、優れた建築・環境技術をアピールできる---』という国益への貢献を評価されたということでしょう。

130924zaha_hadid  2019年「ラグビーワールドカップ」、2020年「オリンピック」の主会場となるこの巨大競技場を風致地区第1号の地に設置すること、極めて乱暴な「まちづくり」ですが、これからの事業進展については東京都民はもちろんこの国の住民のすべてに、その姿を偽りなく説明していくべきです。

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